- クロモリ4140M鋳造のホットメタルが飛びと寛容性を担う
- フォージドはボロン配合の1025Eでフェースを薄肉化
- ツアーはグレインフローフォージドHDの一体鍛造
ミズノJPX-919アイアンは、クロモリ鋳造で飛距離と寛容性を稼ぐホットメタル、ボロン配合の鍛造で打感と初速を両立するフォージド、軟鉄一体鍛造で操作性を突き詰めたツアーの3機種構成。同じシリーズ名で素材も製法も別という、住み分けの明快さが持ち味だ。
JPX-919は2018年に登場したJPXの世代交代モデルで、国内ではツアーとホットメタルが2019年に展開された。前作JPX900から続く3機種体制を踏襲しつつ、素材と構造を機種ごとに割り切ったのがこの世代の設計思想。1つのシリーズ名の中で鋳造と鍛造を並立させ、飛びと打感のどちらを取るかを選ばせる構成になっている。ツアーは、契約フリーの立場でミズノを選び続けたブルックス・ケプカが2019年の全米プロを制した際に手にしたモデルとしても知られる。
ホットメタルはクロモリ4140Mの鋳造で、シームレスな一体カップフェースと多層厚フェースにより反発エリアを大きく広げた飛び系。フォージドは1025E軟鉄にボロンを微量加えた素材を鍛造し、フェース裏をソール側から削り込むリバースミル加工で薄肉化した中間機。ツアーは1025Eの一本のビレットからグレインフローフォージドHD製法で削り出す軟鉄一体鍛造で、難易度はホットメタル・フォージド・ツアーの順に上がる。
ホットメタルとツアーは、ヒール側を開放したスタビリティフレームを共有し、安定性と打ち出し角、狙った落下角度を両立させる。ホットメタルはトップエッジ内側のサウンドリブを設計し直して打音を調整した。ヒール側の重量をトウ側へ振り分けてスイートスポットをフェース中央付近に寄せた点も、この世代の共通した改良点だとメーカーが説明している。
| 番手 | ロフト角 | 左利き対応 | バウンス角 | ライ角 | フェースプログレッション |
|---|---|---|---|---|---|
| #4 | 24.0° | ✕ | 2.0° | 60.0° | 3.8mm |
| #5 | 27.0° | ✕ | 2.0° | 60.5° | 3.9mm |
| #6 | 30.0° | ✕ | 3.0° | 61.0° | 4.0mm |
| #7 | 34.0° | ✕ | 3.0° | 61.5° | 4.2mm |
| #8 | 38.0° | ✕ | 4.0° | 62.0° | 4.5mm |
| #9 | 42.0° | ✕ | 5.0° | 62.5° | 4.7mm |
| #PW | 46.0° | ✕ | 6.0° | 63.0° | 4.9mm |
| シャフト名 | フレックス | バランス | シャフト重量 (g) | トルク |
|---|---|---|---|---|
| N S PRO MODUS3 TOUR 120 | S | D2 (#4,5,6,7,8,9) / D3 (#PW) | 114 g | 1.7 |
| 番手 | ロフト角 | 左利き対応 | バウンス角 | ライ角 | フェースプログレッション |
|---|---|---|---|---|---|
| #5 | 23.0° | ✕ | 0.5° | 60.5° | 1.3mm |
| #6 | 26.0° | ✕ | 0.5° | 61.0° | 1.8mm |
| #7 | 30.0° | ✕ | 1.0° | 61.5° | 2.1mm |
| #8 | 35.0° | ✕ | 2.0° | 62.0° | 2.4mm |
| #9 | 40.0° | ✕ | 3.0° | 62.5° | 2.9mm |
| #PW | 45.0° | ✕ | 4.0° | 63.0° | 3.4mm |
| シャフト名 | フレックス | バランス | シャフト重量 (g) | トルク |
|---|---|---|---|---|
| N S PRO MODUS3 TOUR 105 | S | D2 (#5,6,7,8,9) / D3 (#PW) | 106.5 g | 1.7 |
| 番手 | ロフト角 | 左利き対応 | バウンス角 | ライ角 | フェースプログレッション |
|---|---|---|---|---|---|
| #5 | 24.0° | ✕ | 2.0° | 60.5° | 2.8mm |
| #6 | 27.0° | ✕ | 2.0° | 61.0° | 3.0mm |
| #7 | 31.0° | ✕ | 3.0° | 61.5° | 3.3mm |
| #8 | 35.0° | ✕ | 4.0° | 62.0° | 3.5mm |
| #9 | 40.0° | ✕ | 5.0° | 62.5° | 3.8mm |
| #PW | 45.0° | ✕ | 6.0° | 63.0° | 4.0mm |
| シャフト名 | フレックス | バランス | シャフト重量 (g) | トルク |
|---|---|---|---|---|
| DYNAMIC GOLD 105 | S200 | D2 (#5,6,7,8,9) / D3 (#PW) | 103 g | - |
アイアンに飛距離と安心感を求める初〜中級者には、まずJPX-919ホットメタルが向く。クロモリ鋳造のカップフェースで反発エリアが広く、芯を外しても飛距離と方向のロスが小さいのがこの機種の主戦場になる。海外メディアの試打でも、ゲーム改善系にしては顔が大きくなりすぎずオフセットも過剰でない点が評価されている。
鍛造の打感は譲れないが寛容性も落としたくない中上級者にはJPX-919フォージドが合う。1025Eにボロンを加えることでフェースを薄くしても打感を損なわない設計で、鍛造アイアンとしては大きなボールスピードを稼げるのがフォージドの立ち位置。寛容性はホットメタルにわずかに劣るがツアーよりはるかに扱いやすい、と海外の試打メディアが整理している。
意図した弾道を自分で作りにいく上級者にはJPX-919ツアーが第一候補になる。軟鉄一体鍛造で重心距離を詰め、ボールを正確に捉える技量があるほど応えてくれる一本だ。7番34° というロフトが示すとおり、飛ばすためではなく番手ごとの距離を揃えるためのアイアンとして設計されている。
住み分けは素材で切ると分かりやすい。鋳造で飛びと寛容性を取るならホットメタル、鍛造で打感と初速の両取りならフォージド、軟鉄一体鍛造で操作性に振り切るならツアーという3択だ。世代で見ると、この3機種体制はJPX 921でホットメタル プロが加わり4機種へ拡張。JPX-919は、ホットメタル系の分化が始まる直前の、もっとも輪郭のはっきりした世代にあたる。
| モデル | 飛距離 | 弾道 | 操作性 | 寛容性 | 打感 | ひと言 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| JPX-919ホットメタル | ◎ | 中-高 | △ | ◎ | しっかり | 飛びと寛容性を担う鋳造の標準機 |
| JPX-919フォージド | ○ | 中 | ○ | ○ | 軟らかめ | 鍛造の打感と初速を両立する中間機 |
| JPX-919ツアー | △ | 中 | ◎ | △ | 軟鉄リッチ | 操作性最優先の軟鉄一体鍛造 |
3機種の性格差はロフト設定にも表れている。7番はホットメタルが30°、フォージドが31°、ツアーが34° と1機種ごとに寝ていき、飛距離を狙うほど立ち、止める・操るほど伝統的な設定に戻る。飛び系が流行した時期にあってもツアーが7番34° を守った点は、このモデルが飛距離ではなく縦の距離の再現性を売りにしていたことの裏返しでもある。フェースプログレッションもホットメタルが最も小さく、ツアーが最も大きい構成で、顔つきの差もそのまま数値に出ている。
市場全クラブの中でこのモデルがどこに位置するか(赤=このモデル)
ストレート・高弾道 タイプ
市場全体の分布における位置(赤=このモデルの該当ビン)
19位/全697本 (3%・大きい)
同アイアンカテゴリの市場価格における位置(赤=このモデル)
市場全クラブの中でこのモデルがどこに位置するか(赤=このモデル)
フェード寄り・中弾道 タイプ
市場全体の分布における位置(赤=このモデルの該当ビン)
305位/全697本 (44%・普通)
同アイアンカテゴリの市場価格における位置(赤=このモデル)
市場全クラブの中でこのモデルがどこに位置するか(赤=このモデル)
ストレート・中弾道 タイプ
市場全体の分布における位置(赤=このモデルの該当ビン)
222位/全697本 (32%・普通)
同アイアンカテゴリの市場価格における位置(赤=このモデル)
| モデル | 👍 良い点 | 👎 気になる点 |
|---|---|---|
| JPX-919ホットメタル |
|
|
| JPX-919フォージド |
|
|
| JPX-919ツアー |
|
|