グラファイトデザインの「TOUR AD PT」は2006年頃に登場した、安定した直進性と飛距離性能を追求したツアーモデルです。Graphite Design公式サイトでも「方向性と飛距離を追求したTOUR ADの原点」と謳われており、クセの少ない設計でタイミングが取りやすく、安定した弾道で強い飛びを実現するとされています。PROTOTYPE(プロトタイプ)を意味する「PT」の名が示す通り、ツアーADシリーズのベースモデルとして位置づけられています。シャフト本体価格は46,200円(税抜42,000円)、日本製です。多くのプロゴルファーにも愛用されており、最新ドライバーにカスタム装着するユーザーも少なくありません。
TOUR AD PTは4つの重量帯(PT-5~PT-8)で展開されており、各モデルごとにフレックスと重量構成が異なります。具体的には、PT-5(50g台)はR2(52g)、R1(53g)、S(54g)、X(56g)の4フレックスを揃え、トルクは5.8度と高めです。PT-6(60g台)はSR(62g)、S(63g)、X(64g)で、トルクは3.5~3.6度に低下します。PT-7(70g台)はS(72g)とX(73g)のみで、トルクは3.3~3.4度です。PT-8(80g台)もS(81g)とX(83g)を用意し、トルク3.1~3.2度の最も低トルク仕様です。モデルごとにフレックスが増えるごとに約2~3gずつ重くなり、振動数も上がるため硬さが増していきます。軽量モデル(PT-5)は扱いやすさを重視し、重いモデル(PT-8)は高いヘッドスピードでもブレを抑えて安定した弾道を得られる設計になっています。
TOUR AD PTは比較的重いモデルが中心の硬めのシャフトであるため、高いヘッドスピードを持つ上級者や、ショットの精度を追求するアマチュアに向いています。特に、球が上がりにくく飛距離が出にくい高スピン弾道を改善したいプレーヤーにおすすめです。また、切り返しのスムーズな「スインガー」のゴルファーが扱いやすいとされ、ミスショットが少ない安定したスイングの人ほど真価を発揮します。実際に「シングルを目指すレベルの上級者や、結果にこだわり始めたゴルファー」に適しているとの声もあります。ボールのつかまりは適度なので、ドローヒッターでもコントロールしやすく、フェード系の軌道を好むゴルファーにも合いやすいでしょう。