コンテンツとしての強さ — 毎週見続けさせる設計
中継と配信の形も、他の国内競技とはかなり違う。
協会は2025年2月18日に、2025年から2029年までの5年間、インターネット配信をU-NEXTと組むことを発表した。2026年は日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)のツアー37試合のうち35試合を、初日から最終日まで全ラウンド配信する(日本女子オープンとTOTOジャパンクラシックの2試合は対象外)。下部のステップ・アップ・ツアーも全大会が録画で配信される。
下部ツアーの露出は配信より前から手を打っていた。協会が公開している経緯によれば、2012年にステップ・アップ・ツアーのテレビ放送が始まり、CS放送で全大会の予選から決勝まで各日6時間の生放送が行われている。2017年にはステップ・アップ・ツアーが女子世界ゴルフランキングの対象ツアーに認定された。
競技そのものの作り方も変えている。2015年からコースセッティングを多様化し、優勝スコアの幅をイーブンパー前後から20アンダー超まで広げた。2017年には公開する記録の項目を従来の7から30に増やしている。協会公式SNSのフォロワーは合計82万を超える(2026年年頭時点の協会発表)。
ギャラリーの側にも記録がある。業界団体の日本ゴルフトーナメント振興協会は2016年の報告で、男子ツアーの1試合平均ギャラリー数が1992年の25,000人超から2015年には約14,000人まで減り、この年に女子ツアーを下回ったとしている。
ここからは解釈である。全ラウンドを通しで見られること、下部ツアーまで追えること、記録が細かく公開されていること。この3つはいずれも、毎週見続ける視聴者を作るための設計として一貫している。単発の話題で瞬間的な視聴率を取りにいく作りではなく、シーズンを通した文脈を積み上げる作りだといえる。1試合平均のギャラリー数で女子が男子を上回ったのが2015年であることは、この時期に打った手と時期が符合する。