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ゴルフ市場データプロゴルファーの経済

統計データ

プロゴルファーの年収の実像

「プロゴルファーの年収はいくらか」という問いに、ひとつの数字で答えることはできません。トーナメントの賞金は極端に上位へ集中し、同じ「ツアープロ」でも賞金ランキングの順位が変われば金額の桁が変わるからです。しかも賞金は売上であって手取りではなく、大会に出るための費用は選手の自己負担です。このページでは、国内男子ツアーと国内女子ツアーの公式賞金ランキングを実額のまま並べ、賞金総額という原資の推移、賞金から引かれるもの、賞金以外の収入までを、ツアー公式と公的統計だけを出典に整理します。

「プロゴルファーの平均年収」という数字は存在しない

プロゴルファーの収入を1つの平均値で表した公式統計は、日本には存在しません。ツアーを主催する団体が公表しているのは、あくまで大会ごとの賞金額と、選手別の年間獲得賞金ランキングです。年収そのものは、賞金に所属契約や用品契約の収入を足し、そこから遠征費や税金を引いた後にしか決まりません。そして契約の金額はほぼすべて非公開です。

そこで本ページでは、平均値を推測する代わりに、公表されている賞金ランキングの実額をそのまま順位ごとに並べ、分布として示すという立場を取ります。結論は次の3点です。

2025年 賞金ランキングの実額

順位 国内男子(JGTO) 国内女子(JLPGA)
1位 1億2,023万円 2億2,729万円
10位 7,119万円 8,489万円
30位 4,406万円 4,616万円
50位 2,001万円 2,589万円
100位 386万円 615万円
賞金を獲得した人数 205人 162人

金額は各ツアー公式の2025年賞金ランキングから取り、万円未満を四捨五入しています。国内男子は海外メジャーでの獲得賞金を含むランキング、国内女子は国内女子ツアーの年間獲得賞金です。

賞金総額という原資

国内男子ツアーの年間賞金総額の推移を示す折れ線グラフ
国内男子ツアー(JGTO)の年間賞金総額の推移。1993年をピークに縮小している。

選手が受け取る賞金の合計は、その年にツアーが集めた協賛金の総額を超えることはありません。賞金総額は、プロゴルファーの収入の上限を決める原資です。年収の話をする前に、まず配る側の器を見ておきます。

国内男子ツアーの賞金総額は、米国ツアーとの共催大会を含む2019年の43.60億円が最高で、これを除けば1993年の41.85億円が最も大きい年です。直近で確定している2024年は32.61億円で、1993年の水準から約22%減っています。同じ期間に開催数も減っており、1983年の46試合に対して2025年は25試合でした。原資が減れば、同じ順位でも受け取る金額は下がります。

グラフで2019年だけ突出しているのは、米国ツアーとの共催大会が加わったためで、前後の年と単純には比較できません。2020年と2021年は新型コロナウイルスの影響で2シーズンが統合して運営された年です。2025年は賞金総額がウォン建てでのみ公表された大会があり、為替換算をしない方針のため年間合計を確定できていません(円建てで掲載された24大会の合計は31億6,976万円)。

国内女子ツアーの賞金総額は、これと逆の動きをしています。男女の比較は後半の節でまとめて扱います。

国内男子ツアー(JGTO)の年間賞金総額(1973–2024年) 単位: 億円
日本の男子ツアー 年間賞金総額(現JGTO)出典
1973 4.66 JGTO 公式 ツアースケジュール 1973年度(日本ゴルフツアー機構)
1974 5.96 JGTO 公式 ツアースケジュール 1974年度(日本ゴルフツアー機構)
1975 8.01 JGTO 公式 ツアースケジュール 1975年度(日本ゴルフツアー機構)
1976 8.29 JGTO 公式 ツアースケジュール 1976年度(日本ゴルフツアー機構)
1977 8.49 JGTO 公式 ツアースケジュール 1977年度(日本ゴルフツアー機構)
1978 9.33 JGTO 公式 ツアースケジュール 1978年度(日本ゴルフツアー機構)
1979 9.78 JGTO 公式 ツアースケジュール 1979年度(日本ゴルフツアー機構)
1980 10.40 JGTO 公式 ツアースケジュール 1980年度(日本ゴルフツアー機構)
1981 12.35 JGTO 公式 ツアースケジュール 1981年度(日本ゴルフツアー機構)
1982 14.50 JGTO 公式 ツアースケジュール 1982年度(日本ゴルフツアー機構)
1983 15.42 JGTO 公式 ツアースケジュール 1983年度(日本ゴルフツアー機構)
1984 16.04 JGTO 公式 ツアースケジュール 1984年度(日本ゴルフツアー機構)
1985 17.08 JGTO 公式 ツアースケジュール 1985年度(日本ゴルフツアー機構)
1986 18.55 JGTO 公式 ツアースケジュール 1986年度(日本ゴルフツアー機構)
1987 19.94 JGTO 公式 ツアースケジュール 1987年度(日本ゴルフツアー機構)
1988 22.86 JGTO 公式 ツアースケジュール 1988年度(日本ゴルフツアー機構)
1989 26.00 JGTO 公式 ツアースケジュール 1989年度(日本ゴルフツアー機構)
1990 32.90 JGTO 公式 ツアースケジュール 1990年度(日本ゴルフツアー機構)
1991 36.52 JGTO 公式 ツアースケジュール 1991年度(日本ゴルフツアー機構)
1992 38.80 JGTO 公式 ツアースケジュール 1992年度(日本ゴルフツアー機構)
1993 41.85 JGTO 公式 ツアースケジュール 1993年度(日本ゴルフツアー機構)
1994 41.40 JGTO 公式 ツアースケジュール 1994年度(日本ゴルフツアー機構)
1995 39.90 JGTO 公式 ツアースケジュール 1995年度(日本ゴルフツアー機構)
1996 38.90 JGTO 公式 ツアースケジュール 1996年度(日本ゴルフツアー機構)
1997 39.30 JGTO 公式 ツアースケジュール 1997年度(日本ゴルフツアー機構)
1998 40.70 JGTO 公式 ツアースケジュール 1998年度(日本ゴルフツアー機構)
1999 33.60 JGTO 公式 ツアースケジュール 1999年度(日本ゴルフツアー機構)
2000 35.30 JGTO 公式 ツアースケジュール 2000年度(日本ゴルフツアー機構)
2001 34.30 JGTO 公式 ツアースケジュール 2001年度(日本ゴルフツアー機構)
2002 33.20 JGTO 公式 ツアースケジュール 2002年度(日本ゴルフツアー機構)
2003 32.50 JGTO 公式 ツアースケジュール 2003年度(日本ゴルフツアー機構)
2004 32.70 JGTO 公式 ツアースケジュール 2004年度(日本ゴルフツアー機構)
2005 33.80 JGTO 公式 ツアースケジュール 2005年度(日本ゴルフツアー機構)
2006 35.00 JGTO 公式 ツアースケジュール 2006年度(日本ゴルフツアー機構)
2007 30.40 JGTO 公式 ツアースケジュール 2007年度(日本ゴルフツアー機構)
2008 36.20 JGTO 公式 ツアースケジュール 2008年度(日本ゴルフツアー機構)
2009 33.40 JGTO 公式 ツアースケジュール 2009年度(日本ゴルフツアー機構)
2010 33.50 JGTO 公式 ツアースケジュール 2010年度(日本ゴルフツアー機構)
2011 33.30 JGTO 公式 ツアースケジュール 2011年度(日本ゴルフツアー機構)
2012 33.60 JGTO 公式 ツアースケジュール 2012年度(日本ゴルフツアー機構)
2013 33.54 JGTO 公式 ツアースケジュール 2013年度(日本ゴルフツアー機構)
2014 32.54 JGTO 公式 ツアースケジュール 2014年度(日本ゴルフツアー機構)
2015 33.09 JGTO 公式 ツアースケジュール 2015年度(日本ゴルフツアー機構)
2016 34.89 JGTO 公式 ツアースケジュール 2016年度(日本ゴルフツアー機構)
2017 35.95 JGTO 公式 ツアースケジュール 2017年度(日本ゴルフツアー機構)
2018 33.96 JGTO 公式 ツアースケジュール 2018年度(日本ゴルフツアー機構)
2019 43.60 JGTO 公式 ツアースケジュール 2019年度(日本ゴルフツアー機構)
2020 6.95 JGTO 公式 ツアースケジュール 2020-2021年度(日本ゴルフツアー機構)
2021 26.43 JGTO 公式 ツアースケジュール 2020-2021年度(日本ゴルフツアー機構)
2022 32.69 JGTO 公式 ツアースケジュール 2022年度(日本ゴルフツアー機構)
2023 33.33 JGTO 公式 ツアースケジュール 2023年度(日本ゴルフツアー機構)
2024 32.61 JGTO 公式 ツアースケジュール 2024年度(日本ゴルフツアー機構)

定義: JGTO 公式サイトのツアースケジュールに「ツアー」区分で掲載された、その年に実際に開催されたレギュラーツアー大会の「賞金総額」の合計(実施ベース)。海外メジャー・ACN ツアーは含まない。共催競技も公式サイトが円建てで掲載しているものは合算している。単位は億円。

注: 1999年の JGTO(日本ゴルフツアー機構)発足以前の年も、JGTO 公式サイトが日本の男子レギュラーツアーの連続した記録として同じスケジュール・ランキングに収録しているため、同一系列として収録した(1999年より前の主催・運営は日本プロゴルフ協会ほか)。

注: 2020年と2021年は新型コロナウイルスの影響で「2020-2021年度」として2シーズンが統合して運営され、JGTO 公式サイトも1つのスケジュールとして掲載している。本系列では同ページ掲載の各大会の開催日(週番号と月日)から暦年を判定して2020年(6大会)と2021年(24大会)に分割した。

注: 2025年は Shinhan Donghae Open の賞金総額が JGTO 公式サイトでウォン建て(15億ウォン)でのみ掲載されており、為替換算をしない方針のため年間合計が確定できず未収録(円建て掲載分24大会の合計は31億6,976万円)。

注: 2026年はシーズン進行中で、日本オープンの賞金総額が「2025年実績」表記の暫定値であり、かつ一部大会が開催調整中のため未収録。

注: 2019年は PGA TOUR との共催大会 ZOZO CHAMPIONSHIP(10億4,832万円)を含むため前後の年より大きく増える。

賞金は上位に集中する

国内男子ツアー賞金ランキング50位の獲得賞金の推移を示す折れ線グラフ
国内男子ツアー賞金ランキング50位の獲得賞金の推移。中位層の水準を示す指標。

ランキング上位の金額だけを見ると、プロゴルファーは大きく稼ぐ職業に見えます。分布を作ると印象は変わります。

2025年 獲得賞金の階層別人数

年間獲得賞金 国内男子(JGTO) 国内女子(JLPGA)
1億円以上 1人 7人
5,000万円以上 24人 27人
3,000万円以上 39人 44人
2,000万円以上 50人 63人
1,000万円以上 66人 89人
500万円以上 94人 106人
賞金を獲得した人数 205人 162人

上位が占めるシェア(賞金獲得者の合計額に対する比率)

範囲 国内男子(JGTO) 国内女子(JLPGA)
上位10人 27.5% 29.9%
上位25人 55.6% 53.1%
上位50人 81.9% 77.1%
上位100人 95.9% 97.1%

この2つの表は、各ツアー公式の2025年賞金ランキングに掲載された全選手の獲得賞金を、本サイトが順位順に集計したものです(国内男子205人・合計30.67億円、国内女子162人・合計39.67億円)。計算は単純な足し上げで、ランキングに載らない選手やアマチュアは母数に含めていません。集計方法を明示しているので、同じ手順で検算できます。

上位50人でツアー賞金の8割前後が分配される一方、100位前後の選手の年間獲得賞金は国内男子で400万円弱、国内女子で600万円台にとどまります。ここから遠征費を引くと手元に残る額はさらに小さくなります。「ツアープロ」という同じ肩書きでも、経済的な意味はまったく異なるということです。

50位の獲得賞金の推移で見ると、国内男子は1993年の2,823万円がピークで、2025年は2,001万円。約29%下がっています。国内女子は2022年の2,629万円がピークで、2025年も2,589万円とピーク圏を保っています。

国内男子ツアー賞金ランキング50位の獲得賞金(1973–2025年) 単位: 万円
日本の男子ツアー 賞金ランキング50位の獲得額(現JGTO)出典
1973 129 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)1973年度
1974 209 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)1974年度
1975 230 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)1975年度
1976 233 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)1976年度
1977 258 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)1977年度
1978 302 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)1978年度
1979 350 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)1979年度
1980 324 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)1980年度
1981 486 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)1981年度
1982 561 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)1982年度
1983 559 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)1983年度
1984 505 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)1984年度
1985 1,008 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)1985年度
1986 962 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)1986年度
1987 1,197 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)1987年度
1988 1,363 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)1988年度
1989 1,765 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)1989年度
1990 2,081 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)1990年度
1991 2,243 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)1991年度
1992 2,290 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)1992年度
1993 2,823 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)1993年度
1994 2,557 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)1994年度
1995 2,334 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)1995年度
1996 2,405 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)1996年度
1997 2,586 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)1997年度
1998 2,441 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)1998年度
1999 2,081 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)1999年度
2000 2,368 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)2000年度
2001 2,095 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)2001年度
2002 2,000 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)2002年度
2003 2,228 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)2003年度
2004 2,390 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)2004年度
2005 2,410 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)2005年度
2006 2,118 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)2006年度
2007 2,072 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)2007年度
2008 2,195 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)2008年度
2009 1,929 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)2009年度
2010 2,170 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)2010年度
2011 2,060 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)2011年度
2012 2,216 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)2012年度
2013 1,941 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)2013年度
2014 2,227 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)2014年度
2015 2,290 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)2015年度
2016 2,338 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)2016年度
2017 2,050 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)2017年度
2018 2,154 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)2018年度
2019 1,709 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)2019年度
2022 1,681 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)2022年度
2023 1,965 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)2023年度
2024 1,748 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)2024年度
2025 2,001 JGTO 公式 賞金ランキング(海外メジャー含む)2025年度

定義: JGTO 公式「賞金ランキング(海外メジャー含む)」各年度の50位の選手の獲得賞金額。レギュラーツアーのみ(下部の ACN ツアーの賞金は含まない)。単位は万円。JGTO はこのランキングで賞金王を決定している。

注: 1999年の JGTO(日本ゴルフツアー機構)発足以前の年も、JGTO 公式サイトが日本の男子レギュラーツアーの連続した記録として同じスケジュール・ランキングに収録しているため、同一系列として収録した(1999年より前の主催・運営は日本プロゴルフ協会ほか)。

注: 2020年・2021年は「2020-2021年度」として2シーズン統合の賞金ランキングのみが公表されており、単年の50位額が存在しないため両年とも未収録(統合シーズンの50位は久常涼の1,859万9,070円)。

注: 2026年はシーズン進行中のため未収録。

注: 海外メジャー(マスターズ・全米オープン・全英オープン・全米プロ)での獲得賞金が加算されるため、上位選手ほど国内のみのランキングとの差が出るが、50位前後では両ランキングの額はおおむね一致する。

賞金から引かれるもの

賞金ランキングの金額は、企業でいえば売上に近い数字です。プロゴルファーは個人事業主で、大会に出るための費用も、移動と宿泊も、チームへの支払いも自分で負担します。

公表されている費用は、出場資格に関わるものにほぼ限られます。

費用 金額 出典
国内男子ツアーの予選会(QT)出場料 22万円(税込・日本開催の各ステージ。前のステージ通過者は免除) 2025年度の実施要項
国内女子のプロテスト受験料 1次4万円・2次6万円・最終10万円(いずれも税別) 2026年度の受験申込要項

公表されていない費用のほうが、金額としては大きくなります。遠征費・キャディへの報酬・コーチやトレーナーへの支払いは、いずれも選手と相手方の個別契約で、公式に集計された統計はありません。推測でひとつの数字を置く代わりに、前提を変えたときにどう動くかを示します。

遠征費の試算(推定)

前提は次のとおりです。国内男子ツアーは2025年に25試合を開催しました。全試合に出場すれば年25週の遠征になります。1試合あたりの移動・宿泊・食費の合計を10万〜20万円と置くと、年間の遠征費は次のようになります。

1試合あたりの遠征費 20試合出場 25試合出場
10万円 200万円 250万円
15万円 300万円 375万円
20万円 400万円 500万円

単価の10万〜20万円は公表統計ではなく、本ページで置いた仮定です。参考として、観光庁の旅行・観光消費動向調査によれば2025年の日本人の国内宿泊旅行は1人1回あたり72,412円(交通費・宿泊費・飲食費などの合計)でした。ツアーは月曜の移動から日曜の最終日まで滞在が長く、これを上回る前提としています。読者が自分の前提に置き換えて計算し直せるよう、単価と出場数を分けて示しました。

キャディへの報酬は選手との個別契約で、公表された資料が確認できないため、本ページでは金額も算定方法も示しません。コーチ・トレーナー・マネジメント会社への支払いも同様です。

税金についても補足します。トーナメントの賞金は、支払いの際に源泉徴収の対象となる報酬・料金として扱われます(国税庁の質疑応答事例)。最終的な税額は必要経費を差し引いた所得に対して決まるため、賞金額と手取りは一致しません。取り扱いは個別の事情で変わるので、具体的な判断は税務署や税理士に確認してください。

男女でこれだけ違う

国内女子ツアーの年間賞金総額の推移を示す折れ線グラフ
国内女子ツアー(JLPGA)の年間賞金総額の推移。2020年代にピーク圏で推移している。

日本のプロゴルフは、賞金の規模で女子が男子を上回っています。近年の一時的な現象ではなく、10年近く続いている構造です。

賞金総額では2017年に女子が男子を初めて上回りました。その後、米国ツアーとの共催大会が加わった2019年だけ男子が上回りましたが、2020年以降は再び女子が上です。50位の獲得賞金でも同じ2017年に逆転が起きています。

下位の厚みにも差があります。2025年の100位の獲得賞金は国内女子が615万円、国内男子が386万円でした。一方で賞金を獲得した人数は国内男子205人・国内女子162人と男子のほうが多く、より少ない原資をより多くの選手で分け合う形になっています。

ここからは解釈です。この差は選手の実力や競技の人気を測ったものではありません。賞金総額は開催数と1大会あたりの協賛規模で決まり、協賛規模は中継の枠や企業のマーケティング判断に左右されます。国内女子ツアーが開催数を増やしながら協賛を集められた一方、国内男子ツアーはピーク時の46試合から25試合まで開催数が減りました。原資の差は、この構造の差として読むのが妥当です。

国内女子ツアー賞金ランキング50位の獲得賞金(1973–2025年) 単位: 万円
日本の女子ツアー 賞金ランキング50位の獲得額(JLPGA)出典
1973 5 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)1973年
1974 17 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)1974年
1975 31 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)1975年
1976 30 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)1976年
1977 44 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)1977年
1978 51 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)1978年
1979 55 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)1979年
1980 80 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)1980年
1981 123 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)1981年
1982 142 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)1982年
1983 241 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)1983年
1984 370 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)1984年
1985 508 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)1985年
1986 501 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)1986年
1987 707 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)1987年
1988 642 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)1988年
1989 737 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)1989年
1990 968 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)1990年
1991 946 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)1991年
1992 1,372 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)1992年
1993 1,345 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)1993年
1994 1,182 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)1994年
1995 1,089 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)1995年
1996 1,097 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)1996年
1997 1,241 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)1997年
1998 1,400 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)1998年
1999 1,064 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)1999年
2000 1,020 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)2000年
2001 1,123 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)2001年
2002 1,246 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)2002年
2003 981 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)2003年
2004 973 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)2004年
2005 1,247 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)2005年
2006 1,445 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)2006年
2007 1,576 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)2007年
2008 1,571 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)2008年
2009 1,483 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)2009年
2010 1,565 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)2010年
2011 1,578 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)2011年
2012 1,717 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)2012年
2013 1,894 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)2013年
2014 1,761 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)2014年
2015 1,792 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)2015年
2016 2,014 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)2016年
2017 2,239 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)2017年
2018 2,222 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)2018年
2019 2,402 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)2019年
2022 2,629 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)2022年
2023 2,548 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)2023年
2024 2,613 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)2024年
2025 2,589 JLPGA 公式 年間獲得賞金ランキング(JLPGAツアー)2025年

定義: JLPGA 公式「年間獲得賞金」ランキング(JLPGAツアー)各年の50位の選手の獲得賞金額。レギュラーツアーのみで、ステップ・アップ・ツアーの賞金は含まない。単位は万円。

注: 2020年・2021年は新型コロナウイルスの影響で「2020-21年度」として2シーズン統合の賞金ランキングのみが公表されており、単年の50位額が存在しないため両年とも未収録(統合シーズンの50位は有村智恵の3,201万1,751円)。

注: 1973年は50位が5人同額(5万円)。1974年は50位が2人同額(17万円)。

注: 1972年以前は50位まで順位がつく年がないため未収録。

注: 2026年はシーズン進行中のため未収録。

ツアー以外のプロの収入

プロゴルファーの資格を持つ人の大半は、ツアーの賞金ランキングに載っていません。

日本プロゴルフ協会(PGA)の会員検索で資格区分ごとに全件検索すると、2026年8月3日時点でティーチングプロ資格の保有会員は4,189人、トーナメントプレーヤー資格は2,598人でした。両方の資格を持つ会員がいるため、単純に足しても会員総数とは一致しません。これに対し、2025年に国内男子ツアーで賞金を獲得したのは205人です。国内女子はまた別の団体の会員制度になりますが、構図は同じです。

つまり「プロゴルファー」という言葉が指す人の多くは、賞金ではなくレッスン料・練習場やゴルフ場での勤務・下部ツアーや研修会の賞金・企業のイベントなどから収入を得ています。収入の性格が賞金とはまったく違うため、ツアーの賞金分布をそのまま当てはめることはできません。レッスンを職業とするプロの収入と需要は、別のページで詳しく扱っています。

ツアーの下部にあたる大会(国内男子のACNツアー、国内女子のステップ・アップ・ツアー)で戦う選手も、レギュラーツアーとは賞金の水準が異なります。同じ「プロ」でも、どの舞台に立っているかで経済はまったく変わります。

日本プロゴルフ協会のティーチングプロ資格保有会員数(2026–2026年) 単位: 人

定義: 公益社団法人日本プロゴルフ協会(PGA)の会員のうち、ティーチングプロ(TCP)資格を保有する会員の数。PGA公式の会員データベース「PGA会員検索」で資格区分に「ティーチングプロ」を指定し、氏名欄を空欄にして全件検索した該当件数(照会日時点)。PGA定款第5条は正会員を「ゴルフプロフェッショナル(トーナメントプレーヤー(TP)及びティーチングプロ(TCP))」と定めるが、両資格を保有する会員がいるためTPとTCPの合計は会員総数と一致しない。年間のティーチングプロ資格認定者数(新規資格認定者数)とは別物。

注: 値は事業年度末の確定値ではなく、PGA公式会員検索を照会した日(sources[].verified_on)時点の登録件数。2026年の値は2026年8月3日照会時点。

注: トーナメントプレーヤー(TP)とティーチングプロ(TCP)は排他的な会員区分ではない。2026年8月3日時点で TP 2,598件・TCP 4,189件(単純合計6,787件)に対し、資格区分を指定しない全件検索は5,969件。差の818件は両方の資格を保有する会員とみられるため、2系列を足し上げても会員総数にはならない。

注: 会員総数の公式値は内閣府 公益法人information で公表されている PGA の「運営組織に関する重要な事項を記載した書類」(令和8年3月16日提出・2025年度分)に「社員(代議員)を選出する会員の数 5,898人」として記載がある(同書類の社員(代議員)の数は101人)。ただし資格区分別の内訳は同書類にも記載がなく、PGA会員検索の全件5,969件(2026年8月3日)とは基準日が異なる。

注: PGAが公式サイトで公開している事業報告書・事業計画書・決算(2005年度〜2025年度)および「団体情報」ページには資格区分別の会員数の記載がなく(団体情報は「5千名を超える」という概数表記のみ)、公表資料からの年次遡及はできていない。令和7年3月31日までに提出された旧制度の「運営組織等概要」は閲覧に請求者の氏名・メールアドレス登録が必要なため未取得。

注: プロテスト合格者数・ティーチングプロ資格認定者数(年間の新規資格認定者数)は会員数とは別物であり、この系列には含めていない。

注: ティーチングプロ資格制度は1985年にインストラクター資格認定制度として発足し、2002年に「PGAティーチングプロ」へ改称して階級を4段階から3段階(A・B・C級)に変更、2007年にC級とB級の資格認定講習会を統合して現在はA級・B級の2階級で講習会を実施している。受験資格も2015年度に年齢要件が緩和され、2020年度から女性も受験可能になった。会員数の数え方自体は変わらないが、母集団の性格は制度改定の影響を受ける。

データの引用について

本ページの図表・数表は、出典を明記のうえ転載・引用いただけます(例: 「ゴルフスケール(golfscale.jp)調べ・原典: 各出典欄参照」)。数値の原典は各表の出典欄のとおりです。データの更新・訂正が入る場合があるため、引用時は本ページの URL の併記をおすすめします。

よくある質問

プロゴルファーの平均年収はいくらですか?

平均年収を示した公式統計はありません。公表されているのは大会ごとの賞金額と選手別の年間獲得賞金で、そこに非公開の所属契約・用品契約の収入が加わり、遠征費や税金が引かれた後に年収が決まります。本ページでは平均値を推測せず、2025年の賞金ランキングの実額を順位ごとに示しています。国内男子は1位が1億2,023万円、50位が2,001万円、100位が386万円でした。

賞金ランキング50位だと年収はどのくらいになりますか?

2025年の獲得賞金は国内男子で2,001万円、国内女子で2,589万円でした。ここから遠征費などの経費が引かれ、所属契約などの収入が加わります。経費は公表されていませんが、1試合あたり10万〜20万円で20〜25試合と置くと年200万〜500万円規模になるという試算を本ページに載せています(推定であり、公表統計ではありません)。

賞金は全額が手取りになりますか?

なりません。プロゴルファーは個人事業主で、移動費・宿泊費・キャディへの報酬・用具や練習にかかる費用を自分で負担します。トーナメントの賞金は支払いの際に源泉徴収の対象となる報酬・料金として扱われ、最終的な税額は必要経費を差し引いた所得に対して決まります。個別の取り扱いは税務署や税理士に確認してください。

男子と女子ではどちらの賞金が多いですか?

日本国内では女子が上です。賞金総額は2017年に女子が男子を上回り、共催大会があった2019年を除いて以後は女子が上回っています。2025年の獲得賞金は1位・50位・100位のいずれでも女子が男子を上回りました。ただしこれは実力や人気を測った数字ではなく、開催数と協賛規模の差によるものです。

ツアーに出ていないプロゴルファーはどうやって収入を得ていますか?

レッスン、練習場やゴルフ場での勤務、下部ツアーや研修会の賞金、企業イベントなどが主な収入源です。日本プロゴルフ協会の会員検索では2026年8月3日時点でティーチングプロ資格の保有会員が4,189人いる一方、2025年に国内男子ツアーで賞金を獲得したのは205人でした。資格保有者の多くはツアー以外の仕事で生計を立てています。

賞金ランキングに載っていれば賞金だけで生活できますか?

順位と経費の前提によります。2025年の国内男子では年間1,000万円以上を獲得した選手が66人、500万円以上が94人でした。ここから遠征費などの経費が引かれるため、賞金だけで成り立つかは順位・出場試合数・所属契約の有無で変わります。損益分岐にあたる順位の試算は、別のページで扱っています。

海外ツアーに出ると収入は増えますか?

賞金の原資の規模は大きく異なります。米国ツアーの公式メディアガイドで確認できる直近のシーズン賞金総額はおよそ3億4,100万ドル(2018-19シーズン)で、国内男子ツアーとは桁が違います(2020年以降は公式メディアガイドでの公表を確認できていません)。ただし出場資格を得ること自体が難しく、遠征費も国内より大きくなるため、出場すれば収入が増えるとは限りません。なお本サイトは為替換算をしていないため、単位の違いにご注意ください。

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出典

最終更新: 2026-08-03