全英オープン (The Open Championship) は1860年に始まった世界最古のメジャー大会です。主催は「ゴルフの総本山」R&A (The Royal and Ancient Golf Club of St Andrews)。男子4大メジャーで唯一、英国・北アイルランドのリンクスコースだけで毎年7月に開催されます。海風と砂丘、浅いポットバンカーが牙をむく「風雨との戦い」が魅力で、優勝者には銀のクラレットジャグと「Champion Golfer of the Year (今年のチャンピオンゴルファー)」の称号が贈られます。
全英オープンは、男子ゴルフの4大メジャー(マスターズ/全米プロ/全米オープン/全英オープン)のひとつで、世界最古のメジャー大会です。日本では「全英オープン」と呼ばれますが、正式名称は "The Open Championship"(ザ・オープン・チャンピオンシップ)。世界では大会名を冠詞付きの「The Open」と書くだけで通じるほど特別な地位を持ちます。米国では "British Open(ブリティッシュ・オープン)" とも呼ばれますが、これは「全米オープン(U.S. Open)」と区別するための通称で、大会の正式名ではありません。
主催は R&A (The Royal and Ancient Golf Club of St Andrews)。スコットランドのセントアンドリュースを本拠とする、ゴルフのルールを統括してきた歴史的団体です。全米オープンを主催する USGA(全米ゴルフ協会)とは別の組織で、両大会は運営も会場もまったく異なります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | The Open Championship |
| 日本での通称 | 全英オープン/ブリティッシュ・オープン |
| 主催 | R&A |
| 創設 | 1860年(4メジャーで最古) |
| 開催時期 | 毎年7月 |
| 会場 | 英国・北アイルランドのリンクスコース(ローテーション制) |
| 優勝トロフィー | クラレットジャグ (Claret Jug) |
全英オープンの第1回は 1860年、スコットランドの Prestwick(プレストウィック) で開催されました。出場わずか8名のプロによる小さな大会でしたが、これが世界のメジャーゴルフの原点になります。1873年にはセントアンドリュースのオールドコースで初開催され、以降は複数のコースを持ち回る現在のローテーション制へと発展しました。
初期にはハリー・バードン(Harry Vardon)が史上最多の6勝を記録。20世紀以降も時代を代表する名手が優勝を重ね、ジャック・ニクラスが3勝、タイガー・ウッズも3勝を挙げています。20世紀後半からは世界中のトッププロが集う真のワールドチャンピオンシップとなりました。
第二次世界大戦中などの中断を経て、近年では新型コロナウイルスの影響で2020年大会が中止になりました(中止は戦後初)。直近の優勝者は時代を象徴する顔ぶれが並びます。
| 主な記録 | 選手 | 内容 |
|---|---|---|
| 最多優勝 | ハリー・バードン | 6勝 |
| 近代の名手 | ジャック・ニクラス | 3勝 |
| 近代の名手 | タイガー・ウッズ | 3勝 |
| 第1回優勝 | ウィリー・パーク・シニア | 1860年・Prestwick |
全英オープンの最大の特徴は、すべてリンクスコース(links course)で開催されることです。リンクスとは、海と内陸のあいだの砂地(砂丘地帯)に自然の地形を生かして造られたゴルフコースのこと。木がほとんどなく、海からの強風、深く険しいポットバンカー、固く速いフェアウェイ、季節外れの雨が選手を苦しめます。ボールを高く上げる米国型のゴルフではなく、風の下を転がして攻める「ランニングアプローチ」や、風を読む技術が問われるのがリンクスゴルフの醍醐味です。
会場は固定ではなく、「Open Rota(オープン・ローテーション)」と呼ばれる現行10会場を持ち回ります。下表が現行ローテーションの会場です。
| コース | 所在 |
|---|---|
| St Andrews(オールドコース) | スコットランド(ゴルフの聖地・節目の年に開催) |
| Royal Troon | スコットランド |
| Carnoustie | スコットランド(屈指の難コース) |
| Muirfield | スコットランド |
| Turnberry(アイルサ) | スコットランド |
| Royal Liverpool(ホイレーク) | イングランド |
| Royal Birkdale | イングランド |
| Royal Lytham & St Annes | イングランド |
| Royal St George's | イングランド(イングランド南東部唯一の開催地) |
| Royal Portrush | 北アイルランド |
なかでも St Andrews のオールドコースは「ゴルフの故郷(Home of Golf)」と呼ばれ、節目の年に開催される特別な会場です。Royal Portrush は北アイルランド唯一の開催地で、2019年・2025年と近年復活を果たしています。
全英オープンは毎年7月、おおむね第3週前後に開催されます。木曜から日曜までの4日間・72ホールのストロークプレーで行われ、2日目(金曜)終了時点で上位+同スコアの選手によるカットがあります。
英国の夏は天候が変わりやすく、強風・横殴りの雨・低い気温が珍しくありません。荒天時には開始時刻の繰り下げやプレー中断もあり、天候そのものが「もう一人の出場者」と言われるほどです。
72ホール終了時に同スコアで首位が並んだ場合は、4ホールの合計打数で決める「4-hole aggregate playoff(4ホール・アグリゲート方式)」でプレーオフを行います。1ホールごとに決着する方式ではなく、4ホールを戦ってその合計で勝者を決めるのが全英オープン独自のルールです。
全英オープンの出場ルートは大きく「自動出場(exemption)」「Open Qualifying Series」「Final Qualifying」の3つに分かれます(2026年・Royal Birkdale 大会の制度をベースに記載)。
1. 自動出場(exemption categories) 各種の資格カテゴリーに該当する選手は予選免除で出場できます。代表例は次の通りです。
カテゴリーは年により見直され、近年は LIV Golf 選手向けのカテゴリーも設けられています(R&A/The Open 公式)。
2. Open Qualifying Series(OQS) DP World Tour・PGA TOUR・ジャパンゴルフツアー(JGTO)・アジアンツアー・コーンフェリーツアーなど、世界各地の指定大会の上位選手(未出場権者)に出場枠が与えられる仕組みです。日本のツアー大会も対象に含まれており、日本人選手にとって重要なルートになっています。
3. Final Qualifying(最終予選) 英国内の複数会場で6月に行われる36ホールの最終予選です。ここを勝ち抜けば誰でも本大会に出場できる「狭き門」で、全英オープンの「The Open(開かれた大会)」という名にふさわしい仕組みです。2026年大会では、本大会週に行われるLast-Chance Qualifier(最終チャンス予選)も新設されました。
2025年大会(第153回・Royal Portrush)の賞金総額は1,700万ドル、優勝したスコッティ・シェフラーの優勝賞金は310万ドルでした(R&A/The Open 公式・各種報道)。賞金総額・配分は年ごとに R&A が発表します。
優勝者に贈られるのが、銀製のトロフィー クラレットジャグ(Claret Jug)です。正式名称は "The Golf Champion Trophy" で、優勝者は同時に 「Champion Golfer of the Year(今年のチャンピオンゴルファー)」の称号を得ます。これは全英オープンにしかない特別な呼称です。
また、予選を通過したアマチュアのうち最少スコアの選手にはシルバーメダル(Silver Medal)が贈られます。プロ・アマ問わず門戸が開かれている点も、この大会の伝統です。
近年の優勝者は、世界のトップが順当に勝ち上がる構図になっています。直近10年の優勝者は下表の通りです(2020年はコロナ禍で中止)。
| 年 | 優勝者 | 国 | 会場 |
|---|---|---|---|
| 2025 | スコッティ・シェフラー | 米国 | Royal Portrush |
| 2024 | ザンダー・シャウフェレ | 米国 | Royal Troon |
| 2023 | ブライアン・ハーマン | 米国 | Royal Liverpool |
| 2022 | キャメロン・スミス | 豪州 | St Andrews |
| 2021 | コリン・モリカワ | 米国 | Royal St George's |
| 2020 | (中止) | — | — |
| 2019 | シェーン・ローリー | アイルランド | Royal Portrush |
| 2018 | フランチェスコ・モリナリ | イタリア | Carnoustie |
| 2017 | ジョーダン・スピース | 米国 | Royal Birkdale |
| 2016 | ヘンリク・ステンソン | スウェーデン | Royal Troon |
| 2015 | ザック・ジョンソン | 米国 | St Andrews |
日本人選手の最高成績は、1982年に倉本昌弘が Royal Troon で記録した4位です(GDO/みんなのゴルフダイジェスト 等)。これは現在も破られていない日本勢の最高位です。古くは青木功や中嶋常幸が上位に食い込み、近年はマスターズ覇者の松山英樹が常連として出場しています。
日本国内では、全英オープンは長年 NHK BS と WOWOW が中継してきました。放送・配信の権利は年によって変わるため、視聴の際はその年の最新の放送予定を必ず確認してください。
また、大会主催の R&A は公式アプリ "The Open" アプリや公式サイトでリーダーボードやハイライト、一部ライブ配信を提供しています。リアルタイムでスコアを追いたい場合は公式アプリが便利です。
(※具体的な放送局・配信サービスは年ごとに変動します。本記事では確定情報のみを記載し、最新の契約状況は各局の発表をご確認ください。)
全英オープンを主催する R&A は、ほかにも複数の主要大会を運営しています。シニア(50歳以上)の Senior Open Championship(全英シニアオープン)、女子の AIG Women's Open(全英女子オープン)などがその代表で、いずれも「The Open」と同じくリンクスを舞台にした伝統大会です。
また全英オープンは DP World Tour(欧州ツアー)の公式戦としても扱われ、欧州ツアーのレース・トゥ・ドバイのポイント対象になります。男子4大メジャーの他大会(マスターズ・全米オープン・全米プロ)と並ぶ、シーズンの最重要大会のひとつです。
まったく別の大会です。全英オープン (The Open Championship) は R&A が主催し、英国のリンクスコースで7月に開催されます。全米オープン (U.S. Open) は USGA が主催する米国の大会で、運営団体も会場も時期も異なります。
1860年創設の世界最古のメジャーであり、ゴルフの「オープン選手権」の原点だからです。大会名を冠詞付きの「The Open」と書くだけで、世界ではこの大会を指す固有名詞のような地位を確立しています。
海沿いの砂丘地帯に自然地形を生かして造られたコースのことです。木がほとんどなく、強風・深いポットバンカー・固く速いフェアウェイが特徴。ボールを転がして攻める技術と、風を読む力が問われます。
大きく3ルートあります。世界ランキング上位や過去優勝者などの『自動出場』、世界各地の指定大会の上位に枠が出る『Open Qualifying Series』、英国内で行われる36ホールの『Final Qualifying(最終予選)』です。
2025年大会(Royal Portrush)の賞金総額は1,700万ドル、優勝賞金は310万ドルでした。総額・配分は年ごとに R&A が発表します。
優勝者はクラレットジャグを約1年間(次回大会まで)持ち帰ることができます。その後は R&A が保管し、優勝者には複製(レプリカ)が贈られます。
1982年に倉本昌弘が Royal Troon で記録した4位が、現在も日本勢の最高位です。青木功や中嶋常幸も上位に食い込んだ実績があります。
2026年(第154回)は Royal Birkdale(7月16〜19日)、2027年(第155回)は St Andrews のオールドコースでの開催が R&A から発表されています。
最終更新: 2026-06-01