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全米プロゴルフ選手権 (PGA Championship) 完全ガイド

全米プロゴルフ選手権 (PGA Championship) は、男子ゴルフの4大メジャーの一つ。米国のPGA of Americaが主催し、毎年5月に開催されます。4メジャーの中で唯一「プロ専用」の大会で、原則アマチュアは出場できません。よく混同されますが、主催するPGA of AmericaはPGA TOURとはまったく別の組織です。この記事では出場資格・歴史・歴代優勝者・ワナメイカートロフィー・日本人の成績まで、初心者にもわかりやすく解説します。

キアウア島オーシャンコース(全米プロ開催地)
全米プロを開催したキアウア島オーシャンコース。海沿いの難コース Pammymags / Wikimedia Commons (CC BY-SA 4.0)

全米プロ (PGA Championship) とは

全米プロゴルフ選手権 (正式名: PGA Championship、通称「全米プロ」) は、男子ゴルフの4大メジャー (マスターズ・全米オープン・全英オープン・全米プロ) の一つです。1916年に創設され、第1回の優勝者はジム・バーンズでした。

主催するのは PGA of America (全米プロゴルフ協会)。これは全米のティーチングプロ・クラブ専属プロを中心とする職能団体で、トーナメントを主戦場とする PGA TOURとは別の組織です (両者の関係は後述)。

この大会の最大の特徴は、4メジャーで唯一「プロのみ」が出場する点です。マスターズ・全米オープン・全英オープンはアマチュアにも門戸が開かれていますが、全米プロは原則アマチュア不可。PGA of Americaの成り立ちを反映した制度です。

フォーマットは創設から1957年までマッチプレーで行われ、1958年から現在のストロークプレー (4日間72ホールの合計打数で競う方式) に変わりました。かつて8月開催で「その年最後のメジャー」だったことから "Glory's Last Shot" (栄光への最後の一打) という愛称で呼ばれていましたが、2019年から5月開催へ移りました。

歴史

Walter Hagen, five-time PGA Championship winner
マッチプレー時代に5勝・4連覇を達成したウォルター・ヘーゲン Bain News Service / Wikimedia Commons (Public Domain)

全米プロは1916年、百貨店経営者ロドマン・ワナメイカーの支援でPGA of Americaが設立されたのと同じ年にスタートしました。第1回 (1916) と第2回 (1919) を制したのはイングランド出身のジム・バーンズです (1917〜18は第一次世界大戦で中止)。

優勝回数の最多記録は、ウォルター・ヘーゲンとジャック・ニクラスの5勝です。ヘーゲンはマッチプレー時代に5勝を挙げ、うち1924〜1927年は 4連覇という今も破られない記録を残しました。ニクラスはストロークプレー時代に5勝 (1963・71・73・75・80) し、ストローク時代の単独最多です。タイガー・ウッズは4勝で続きます。

2019年には開催時期が8月から5月へと大きく移動しました (理由は後述)。

近年の優勝者は次の通りです。

優勝者 開催コース
2026 アーロン・ライ (英) アロニミンクGC
2025 スコッティ・シェフラー (米) クエイル・ホロウ
2024 ザンダー・シャウフェレ (米) バルハラ
2023 ブルックス・ケプカ (米) オークヒル
2022 ジャスティン・トーマス (米) サザンヒルズ
2021 フィル・ミケルソン (米) キアワ・アイランド
2020 コリン・モリカワ (米) TPCハーディング・パーク

2026年のアーロン・ライは、ジム・バーンズ (1916・1919) 以来となるイングランド出身の優勝者となりました。

開催コース

全米プロは毎年異なるコースを巡って開催されます (マスターズがオーガスタ・ナショナル固定なのとは対照的)。比較的距離が長く、難度の高いコースが選定される傾向があります。

近年と今後の会場は次の通りです。

開催コース 所在地
2024 バルハラGC ケンタッキー州
2025 クエイル・ホロウ ノースカロライナ州
2026 アロニミンクGC ペンシルベニア州
2027 PGAフリスコ テキサス州
2028 オリンピック・クラブ (レイクコース) カリフォルニア州
2029 バルタスロールGC (ロワーコース) ニュージャージー州

2027年のテキサス州フリスコはPGA of Americaの新本部に隣接する施設で、協会が長期的な「ホームコース」と位置づける会場です。

開催時期・フォーマット

開催時期: 2019年以降は 5月第3週に開催されます。それ以前は8月開催で、4大メジャーの最後を飾る大会でした。現在は4メジャーの中で2番目 (マスターズの次) に行われます。

日程: 木曜から日曜の4日間。72ホール (18ホール × 4ラウンド) のストロークプレーで、合計打数の最も少ない選手が優勝します。2日目終了後に予選カット (上位70位タイまでが多い) が行われます。

プレーオフ: 72ホールを終えて首位が並んだ場合は、3ホールの合計打数 (3-hole aggregate playoff) で優勝を決めます。1ホールごとのサドンデスを採用する全米オープン・マスターズとは異なる方式です。

出場人数: フィールドは最大 156名に設定されています。

出場資格

全米プロの出場は、招待制と自動出場資格を組み合わせた複数のカテゴリーで決まります。主なカテゴリーは次の通りです (年により細部は変動します)。

カテゴリー 内容
歴代優勝者 全米プロの過去優勝者 (生涯出場資格)
直近のメジャー優勝者 マスターズ・全米オープン・全英オープンの近年の優勝者
ザ・プレーヤーズ選手権 優勝者 直近3年の優勝者
前年大会の上位 前年PGA Championshipの上位15位タイ
PGA TOUR優勝者 直近の大会で優勝した選手
世界ランキング上位 OWGR (世界ゴルフランキング) 上位100位前後
PGAクラブプロフェッショナル PGA Professional Championshipの上位20名

最後の PGAクラブプロフェッショナル枠は、この大会ならではの特徴的な制度です。普段はゴルフ場やレッスンの現場で働くPGA of America会員のプロが、年に一度の選手権 (PGA Professional Championship) で上位20名に入ると、世界のトッププロと同じ舞台に立てます。主催が「プロの職能団体」であるPGA of Americaだからこそ用意された枠です。

賞金とワナメイカートロフィー

賞金: 2025年大会 (クエイル・ホロウ) の総額は 1,900万ドルで、メジャー大会として当時の記録額でした (前年バルハラから50万ドル増)。優勝者スコッティ・シェフラーの優勝賞金は 342万ドル。予選通過者には最低でも約23,420ドルが保証されました (PGA TOUR公式)。

ワナメイカートロフィー (Wanamaker Trophy): 優勝者に贈られるトロフィーは、協会設立を支援した実業家ロドマン・ワナメイカーにちなんで名付けられました。重さ約27ポンド (約12 kg) と4大メジャーのトロフィーの中で最も大きく重いことで知られます。優勝者は翌年の大会までの1年間、トロフィーを持ち帰ることができます (近年は破損防止のため貸し出されるレプリカを保持)。

注目選手・歴代優勝者

Justin Thomas teeing off
全米プロを2度制したジャスティン・トーマス(2017・2022年) U.S. Army (8th TSC PAO) / Wikimedia Commons (Public Domain)

直近の優勝者を見ると、2020年コリン・モリカワ、2022年ジャスティン・トーマス、2024年ザンダー・シャウフェレと、現役トップ選手が名を連ねます。ブルックス・ケプカは2018・2019・2023年と通算3勝を挙げ、近年の全米プロを象徴する存在です。2025年は世界ランク1位のスコッティ・シェフラーが5打差の圧勝でメジャー3勝目を飾りました。

日本人選手の成績: 日本人の最高位は 1988年大会で中嶋常幸が記録した3位です。松山英樹は2016年に4位、2017年に5位と上位に食い込んでおり、日本勢の優勝が期待される大会の一つです。

通算優勝回数では、ウォルター・ヘーゲンとジャック・ニクラスの5勝が最多、タイガー・ウッズが4勝で続きます。

2026年大会(第108回)はアロニミンクGC(米ペンシルベニア州)で開催され、イングランドのアーロン・ライが通算9アンダー・274でジョン・ラーム、アレックス・スモーリーに3打差をつけ、13度目のメジャー出場で自身初のメジャー制覇を飾りました(PGA Championship公式)。マスターズを制したマキロイに続く欧州勢の勝利で、現行4大メジャー史上初めて、シーズン最初の2メジャーを欧州選手が分け合う結果となりました。

日本での視聴方法

日本での放送・配信は年によって変わるため、最新の各社案内の確認が確実です。近年は CBS (米国) の国際映像をベースに、日本では衛星放送・配信サービスで中継されてきました。

地上波では時期によりTBS系で録画・ハイライト放送が組まれることがあり、ライブ視聴は衛星・配信が中心です。視聴前にその年の放送権者 (テレビ局・配信プラットフォーム) を公式や番組表で確認するのがおすすめです。

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料金・配信内容は変更されることがあります。最新の条件は各公式サイトでご確認ください。

関連ツアー・大会

主催の PGA of America は、全米プロ以外にも複数の大会・対抗戦を運営しています。

ここで改めて重要なのが PGA of AmericaとPGA TOURの違いです。PGA TOURはもともとPGA of Americaの一部門でしたが、1968年にツアー選手たちが分離・独立してできた別組織です。全米プロを主催するのはPGA of Americaであり、年間ツアー (フェデックスカップ等) を運営するPGA TOURではありません。

よくある質問

全米プロとPGA TOURは同じ団体が運営しているの?

いいえ、別組織です。全米プロを主催するのはPGA of America (全米プロゴルフ協会)、年間ツアー (フェデックスカップ等) を運営するのはPGA TOUR, Inc. です。PGA TOURはもともとPGA of Americaの一部門でしたが、賞金配分などをめぐる対立から1968年12月にツアー選手側が分離・独立し、別組織になりました (当初はTournament Players Division、1975年にPGA Tourと改称)。

なぜプロ限定の大会なの?

主催が、ティーチングプロやクラブ専属プロを中心とする職能団体PGA of Americaだからです。1916年の創設以来「プロの選手権」として運営されてきた経緯があり、4大メジャーで唯一アマチュアが原則出場できない大会になっています。

PGAクラブプロフェッショナル枠とは何ですか?

普段はゴルフ場やレッスンの現場で働くPGA of America会員のプロが出場できる特別枠です。年に一度のPGA Professional Championshipで上位20名に入ると、世界のトッププロと同じ全米プロの舞台に立てます。主催が職能団体だからこその制度で、この大会の大きな特徴です。

賞金はいくらですか?

2025年大会 (クエイル・ホロウ) の総額は1,900万ドルで、当時のメジャー記録額でした。優勝したスコッティ・シェフラーの賞金は342万ドル。予選通過者には最低約23,420ドルが保証されました。賞金額は年々増加傾向にあるため、最新の数字は公式発表で確認してください。

ワナメイカートロフィーは優勝者が持ち帰れるの?

はい。優勝者は翌年の大会までの1年間トロフィーを保持できます。ワナメイカートロフィーは重さ約27ポンド (約12 kg) と、4大メジャーのトロフィーの中で最も大きく重いことで知られます (近年は破損防止のためレプリカを持ち帰る運用)。

全米プロと全米オープンはどう違うの?

主催団体と出場制度が異なります。下表の通りです。

全米プロ 全米オープン
主催 PGA of America USGA (全米ゴルフ協会)
出場 プロのみ (アマ不可) プロ・アマ問わずオープン (予選あり)
開催時期 5月 6月

名前が似ていますが別の大会なので混同に注意してください。

日本人選手の最高成績は?

日本人の最高位は1988年大会で中嶋常幸が記録した3位です。松山英樹は2016年に4位、2017年に5位と上位に入っています。

なぜ8月から5月に開催時期が移ったの?

2019年からの移動です。PGA TOURがフェデックスカップ・プレーオフを8月に前倒しし、シーズンを8月中に終える日程に再編したため、従来8月だった全米プロが5月へ移りました。背景にはNFLシーズンと視聴者を奪い合う夏終盤を避ける狙いや、5月の方がコースコンディションが良いといった理由もあります。2019年大会 (ベスページ・ブラック) は1949年以来の5月開催となりました。

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出典・公式リンク

最終更新: 2026-06-10