日本オープンゴルフ選手権は、JGA(日本ゴルフ協会)が主催する日本男子の「ナショナルオープン(その国の頂点を決める公式選手権)」です。マスターズなど世界4大メジャーとは主催団体も歴史も異なる、日本独自の最高峰大会=『国内メジャー』にあたります。創設は1927年(昭和2年)と古く、毎年10月に名門コースを舞台に72ホールで争われます。プロ・アマを問わず門戸が開かれ、世界ランキング枠から海外の有力選手も出場できるのが特徴。賞金総額は約2億円規模で、国内タイトルとしては最高の格式を誇ります。この記事では、大会の成り立ちから出場資格、歴代王者、視聴方法までをまとめて解説します。
日本オープンゴルフ選手権は、公益財団法人 日本ゴルフ協会(JGA)が主催する、日本男子ゴルフのナショナルオープンです。ナショナルオープンとは「その国の頂点を決める公式選手権」のことで、日本オープンは国内で最も権威あるタイトルとされています(JGA公式)。
ゴルフでいう「メジャー」には大きく2つの系統があります。ひとつはマスターズや全米オープンなどの世界4大メジャー。もうひとつが、各国を代表する大会である日本オープンのような国内メジャーです。両者は主催団体も大会の歴史もまったく別物で、日本オープンは世界4大とは独立した、日本独自の最高峰大会です。
主催するJGA(日本ゴルフ協会)は、プロツアーを運営するJGTO(日本ゴルフツアー機構)や、プロ団体のJPGA(日本プロゴルフ協会)とは別の組織です。出場資格には世界ランキング(OWGR)枠もあり、海外の有力選手が来日して出場することもあります(くわしくは「出場権・予選」で解説します)。
第1回大会は1927年(昭和2年)に開催されました。アマチュア12人・プロ5人のわずか17人が出場し、アマチュアの赤星六郎が初代王者に輝いています(JGA公式・競技概要)。戦前から続く、国内最古級の伝統大会です。
戦後の発展期には、青木功・尾崎将司・中嶋常幸の3人が頭文字をとって「AON」と呼ばれ、日本オープンでも激しいタイトル争いを繰り広げました。歴代最多優勝は戦前に活躍した宮本留吉の6勝。次いで尾崎将司が5勝(1974・1988・1989・1992・1994年)、中嶋常幸が4勝で続きます(JGA・主な記録)。
アマチュアの優勝は長らく初代の赤星六郎だけでしたが、2022年(第87回)に蝉川泰果(当時・東北福祉大)が95年ぶり、史上2人目のアマチュア優勝を達成し、大きな話題となりました。また、歴代会場のひとつである霞ヶ関カンツリー倶楽部は、1957年に日本が団体優勝した「カナダカップ(現ワールドカップ)」の舞台にもなった、日本ゴルフ史を象徴する名門です。
日本オープンの大きな特徴は、毎年開催コースが変わることです。世界4大メジャーで唯一会場が固定されているマスターズとは対照的に、日本各地の名門コースが持ち回りで舞台となります。
歴代の会場には、霞ヶ関カンツリー倶楽部(埼玉)、茨木カンツリー倶楽部(大阪)、鳴尾ゴルフ倶楽部(兵庫)、古賀ゴルフ・クラブ(福岡)といった、日本を代表する伝統コースが名を連ねます。いずれも戦略性が高く、ナショナルオープンにふさわしい厳しいセッティングが施されるのが恒例です。
近年の会場は次の通りです。
| 年 | 開催コース |
|---|---|
| 2025(第90回) | 日光カンツリー倶楽部(栃木) |
| 2024(第89回) | 東京ゴルフ倶楽部(埼玉) |
| 2023(第88回) | 茨木カンツリー倶楽部 西コース(大阪) |
優勝スコアが大きく伸びない年も多く、「いかにパーを守り切るか」が問われるタフさも、日本オープンならではの見どころです。
日本オープンは例年10月に開催されます。木曜から日曜までの4日間で、72ホール(各日18ホール)のストロークプレーを行う方式です。
2日目(金曜)終了時点で予選カットがあり、上位60位タイまでが週末(最終ラウンド)に進みます。72ホールを終えて首位が並んだ場合はプレーオフで決着し、2025年大会は片岡尚之と原敏之のプレーオフになりました。
賞金規模は国内最高クラスで、賞金総額2億1,000万円・優勝賞金4,200万円(2024・2025年大会)です(JGA公式・競技概要)。賞金額は年により見直されるため、最新の数字は公式発表で確認するのが確実です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開催時期 | 10月(4日間) |
| 競技方法 | 72ホール・ストロークプレー |
| 予選カット | 第2ラウンド終了後、上位60位タイ |
| 賞金総額 | 約2億1,000万円 |
| 優勝賞金 | 約4,200万円 |
| 主催 | JGA(日本ゴルフ協会)/共催NHK |
日本オープンは「オープン」の名の通り、プロ・アマを問わず門戸が開かれた大会です。出場枠は約120人で、JGAが定める資格区分(2024年大会は全16項目)のいずれかに該当する必要があります(JGA・オープンへの道のり)。
主な出場ルートは次の通りです。
| 区分 | 主な資格 |
|---|---|
| 世界ランキング枠 | 世界ランキング(OWGR)上位100位のうち上位5名 |
| 賞金ランキング枠 | ジャパンゴルフツアー賞金ランキング上位(前年40位・当年30位など) |
| 国内メジャー優勝者 | 過去5年の日本プロ選手権・日本ゴルフツアー選手権の優勝者 |
| 過去優勝者 | 過去10年の日本オープン優勝者 |
| アマチュア枠 | 日本アマチュア選手権・日本ミッドアマチュア選手権の優勝者など |
| 予選通過者 | 地区予選→最終予選を勝ち抜いた選手 |
| 地区オープン | 北海道・中部・関西・中四国・九州の各オープン優勝者 |
注目すべきは世界ランキング枠です。これがあるため、海外の有力選手も来日して出場できます(実際に2021年は南アフリカのショーン・ノリスが優勝)。
アマチュアには「①日本オープン予選競技ルート(地区予選→最終予選)」「②地区オープンルート」「③JGA主催アマチュア選手権ルート」という3つの道が用意されています。ハンディキャップを持つ一般アマチュアにも本選出場のチャンスが開かれている点は、まさにナショナルオープンらしい仕組みです。
近年の優勝者は以下の通りです。
| 年 | 優勝者 | 開催コース | 備考 |
|---|---|---|---|
| 2025 | 片岡尚之 | 日光カンツリー倶楽部 | プレーオフを制す |
| 2024 | 今平周吾 | 東京ゴルフ倶楽部 | |
| 2023 | 岩崎亜久竜 | 茨木CC西 | ツアー初優勝(石川遼2位) |
| 2022 | 蝉川泰果 | 三甲GCジャパン | 95年ぶりのアマチュア優勝 |
| 2021 | ショーン・ノリス | 琵琶湖CC | 通算19アンダーの大会記録 |
| 2020 | 稲森佑貴 | 紫CCすみれ | 2度目の優勝 |
歴史を振り返ると、最多優勝は戦前の宮本留吉(6勝)、続いて尾崎将司(5勝)、中嶋常幸(4勝)。「AON」として日本ゴルフの黄金期を築いた名手たちが、ここでもしのぎを削りました。
近年で特に語り継がれるのが、2022年の蝉川泰果のアマチュア優勝です。初代王者・赤星六郎以来95年ぶり、史上2人目という快挙でした。また2021年には南アフリカのショーン・ノリスが通算19アンダーの大会新記録で圧勝し、世界ランキング枠などから出場する海外勢の実力も示しました。2023年は岩崎亜久竜が石川遼との争いを制してツアー初優勝を日本オープンで飾るなど、若手の台頭も大会を彩っています。
日本オープンは、主催のJGAがNHKと共催しており、例年NHK(地上波・BS)で全国生中継されます(JGA公式・観戦案内/TV放映)。ナショナルオープンとして、決勝ラウンドを中心に幅広く放送されるのが特徴です。
このほか、ゴルフ専門チャンネルのゴルフネットワークでも中継・配信が行われ、全ラウンドをじっくり楽しめます。リアルタイムのスコアはJGA公式サイトのリーダーボードでも確認できます。
放送・配信の編成は年によって変わるため、観戦前にNHKや各社の最新の番組表を確認するのがおすすめです。
料金・配信内容は変更されることがあります。最新の条件は各公式サイトでご確認ください。
日本オープンと並ぶ国内男子の主要タイトルには、JPGA(日本プロゴルフ協会)主催の「日本プロゴルフ選手権」(1926年創設)と、JGTO(日本ゴルフツアー機構)主催のシーズン最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」(1963年創設)があります。この3大会は国内男子の格式高いタイトルとして知られ、主催団体はそれぞれ異なります(日本オープン=JGA、日本プロ=JPGA、日本シリーズ=JGTO)と整理すると分かりやすいでしょう。
また、マスターズや全米オープンなどの世界4大メジャーとは別系統である点も、改めて押さえておきたいところです。2026年からは日本オープンを含む各国ナショナルオープンの優勝者が、マスターズや全英オープンへの出場資格を得られるようになり、国内メジャーと世界4大の距離は少しずつ近づいています。
国内男子ツアー全体の仕組みや年間スケジュールについては、JGTO(国内男子ツアー)の解説記事もあわせてご覧ください。
主催団体も歴史もまったく別の大会です。マスターズなどの世界4大メジャーが世界のトップ選手の頂点を決めるのに対し、日本オープンはJGA(日本ゴルフ協会)が主催する日本の『ナショナルオープン(国内メジャー)』で、日本国内で最も権威あるタイトルです。両者は系統が異なります。
できます。出場資格に『世界ランキング(OWGR)上位100位のうち上位5名』という世界ランキング枠があり、海外の有力選手も来日して出場できます。実際に2021年は南アフリカのショーン・ノリスが優勝しました。
できます。日本アマチュア選手権の優勝者などに出場資格があるほか、地区予選→最終予選を勝ち抜くルートや地区オープンで優勝するルートも用意されています。2022年には蝉川泰果が95年ぶり、史上2人目のアマチュア優勝を果たしました。
2024・2025年大会では賞金総額2億1,000万円、優勝賞金4,200万円でした。国内タイトルとしては最高クラスの賞金規模です。金額は年により見直されるため、最新の数字はJGA公式の発表で確認するのが確実です。
戦前に活躍した宮本留吉の6勝が最多です。次いで尾崎将司が5勝、中嶋常幸が4勝で続きます。青木功・尾崎・中嶋は頭文字から『AON』と呼ばれ、日本ゴルフの黄金期を築きました。
例年10月に、4日間72ホールのストロークプレーで開催されます。開催コースは毎年変わり、霞ヶ関・茨木・鳴尾などの名門が持ち回りで舞台になります。直近では2025年が日光カンツリー倶楽部、2024年が東京ゴルフ倶楽部でした。
主催のJGAがNHKと共催しており、例年NHK(地上波・BS)で全国生中継されます。ゴルフ専門チャンネルのゴルフネットワークでも中継・配信があり、スコアはJGA公式サイトのリーダーボードでも確認できます。編成は年により変わるため事前に番組表の確認をおすすめします。
最終更新: 2026-06-04