Challenge Tour(チャレンジツアー)は、欧州を統括する DP World Tour が運営する男子の下部ツアーで、世界の一線級が集まる DP World Tour へ上がるための「欧州版の登竜門」です。1989年に欧州ツアーの育成リーグとしてスタートし、ヨーロッパを中心に南アフリカ・中東・アジアまで足を延ばす国際色豊かな転戦が特徴です。年間ポイント争いは「Road to Mallorca(ロード・トゥ・マヨルカ)」と呼ばれ、ここで上位に入った選手が翌季の DP World Tour 出場権(カード)を獲得します。2025年からは冠スポンサーが付き「HotelPlanner Tour」という名称でも呼ばれています。本記事では、ツアーの仕組み・歴史・昇格制度・卒業生の成功例・日本での視聴方法までを、米国の Korn Ferry Tour とも比べながら整理します。
| 順位 | 選手 | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | DAFFUE, MJ | 823.70 |
| 2 | EREÑO, Pablo | 604.45 |
| 3 | ENEFER, Will | 522.00 |
| 4 | VAN VELZEN, Ryan | 504.61 |
| 5 | PULKKANEN, Tapio | 472.10 |
| 6 | GIBOUDOT, Maxence | 451.00 |
| 7 | BRYANT, Davis | 442.30 |
| 8 | VILJOEN, MJ | 368.80 |
| 9 | FIGUEIREDO, Pedro | 365.33 |
| 10 | WOOD, Chris | 339.32 |
Challenge Tour(チャレンジツアー)は、欧州男子の最高峰 DP World Tour(旧・ヨーロピアンツアー)が運営する下部(育成)ツアーです(Challenge Tour 公式)。ヨーロッパを中心に、南アフリカ・中東(UAE)・アジア(インド・中国)などへも遠征し、年間およそ30試合が組まれる国際色の強いツアーです。
位置付けを一言でいえば「DP World Tour への欧州版の登竜門」です。北米に Korn Ferry Tour があるのと同じように、欧州の若手や、上のツアーで出場権を失った選手が、ここで1年を戦って翌季の DP World Tour カード獲得を目指します。
プレーは4日間72ホールのストロークプレーが基本で、ルールやコースセッティングは DP World Tour に準じます。2025年からは予約サービス大手の HotelPlanner が冠スポンサーに就き、「HotelPlanner Tour」という名称でも呼ばれています(Challenge Tour 公式)。賞金規模こそ上位ツアーに及びませんが、ここを巣立った選手の顔ぶれを見れば、その育成力の高さがわかります。
ルーツは1986年、スウェーデン・フランス・イタリアの国内ツアーが外国人選手に門戸を開き、「サテライトツアー」として一本化されたことにさかのぼります。1989年にオーダー・オブ・メリット(賞金/ポイントランキング)が導入され、上位5名が翌季のヨーロピアンツアー出場権を得る仕組みが整いました。翌1990年に現在の「Challenge Tour」の名称となり、ここを実質的な創設としています(Challenge Tour - Wikipedia)。
当初は西欧中心の小規模なツアーでしたが、1991年にアフリカ、2003年に中南米、2011年にアジア(インド・カザフスタン)へと舞台を広げ、近年はインド(PGTI 共催)や中国へも進出。2020年には南アフリカのサンシャインツアーとの共催で再びアフリカ開催が定着し、国際ツアーとしての色合いを強めています。
年間王者の系譜には、のちのスター候補が並びます。直近の Road to Mallorca(年間ポイント)首位は次の通りです(Challenge Tour - Wikipedia)。
| シーズン | 年間王者 |
|---|---|
| 2025 | J.C.リッチー (南アフリカ) |
| 2024 | ラスムス・ニーアゴー=ピーターセン (デンマーク) |
| 2023 | マルコ・ペンゲ (イングランド) |
| 2022 | ネイサン・キムジー (イングランド) |
| 2021 | マーカス・ヘリグキルデ (デンマーク) |
| 2011 | トミー・フリートウッド (イングランド) |
| 2000 | ヘンリク・ステンソン (スウェーデン) |
| 1995 | トーマス・ビョーン (デンマーク) |
Challenge Tour のシーズンは、近年は1月下旬に開幕し、10月末〜11月初旬に閉幕する長丁場です。2026年シーズンは全30試合で構成されています(2026 Road to Mallorca 公式)。
2026年の流れを大まかに追うと、次のようになります。
各週は合計2,000ポイントが上位フィニッシャーに配分され、終盤の海南・杭州は各750ポイント上乗せ、最終戦のグランドファイナルでは合計4,000ポイントが用意されるなど、シーズン終盤ほどポイントの比重が大きくなる設計です(2026 Road to Mallorca 公式)。
Challenge Tour の年間ポイント争いは 「Road to Mallorca(ロード・トゥ・マヨルカ)」と呼ばれます。各大会の成績に応じてポイントが積み上がり、その順位で翌季の DP World Tour 昇格者が決まります(2026 Road to Mallorca 公式)。
仕組みは大きく3段階です。
この昇格枠は以前は20名でしたが、2026年シーズンは15名に絞られており、終盤の椅子取りゲームはいっそう熾烈になっています。2025年は J.C.リッチーがシーズン3勝で自動昇格を決め、最後のカードを掴んだアルビン・ベリストロムは683ポイントで滑り込むなど、最終戦までもつれる激戦でした(2026 Road to Mallorca 公式)。
| 順位 | 選手 | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | DAFFUE, MJ | 823.70 |
| 2 | EREÑO, Pablo | 604.45 |
| 3 | ENEFER, Will | 522.00 |
| 4 | VAN VELZEN, Ryan | 504.61 |
| 5 | PULKKANEN, Tapio | 472.10 |
| 6 | GIBOUDOT, Maxence | 451.00 |
| 7 | BRYANT, Davis | 442.30 |
| 8 | VILJOEN, MJ | 368.80 |
| 9 | FIGUEIREDO, Pedro | 365.33 |
| 10 | WOOD, Chris | 339.32 |
Challenge Tour に出場する主なルートは次の通りです。
原則としてプロ選手が対象で、誰でも気軽に出られるわけではありません。ただしアマチュアでも、主催者推薦や予選を勝ち抜けばスポット出場できる場合があります。
Challenge Tour は「どの試合も昇格ポイントが懸かった真剣勝負」ですが、とくに節目となる大会があります。
Rolex Grand Final supported by The R&A(最終戦) マヨルカ島で開催されるシーズン最終戦で、上位45名のみが出場できる「勝ち上がりの舞台」。ここでの順位で DP World Tour カード15枚の行方が最終決定する、選手生命を左右する一戦です。
Open de Portugal 歴史ある大会で、近年は Challenge Tour の欧州ラウンドを締めくくる重要な位置づけ。
SDC Open / 南アフリカ4連戦 1月下旬の開幕シリーズ。サンシャインツアーとの共催で、シーズンの出だしを占う一連の試合です。
そのほか、Abu Dhabi Challenge・UAE Challenge(中東)、Italian Challenge Open(欧州連戦の起点)、海南オープン・杭州オープン(中国)など、各地で個性的な大会が組まれています。派手さよりも「ここで結果を出せば人生が変わる」という緊張感が、このツアーならではの見どころです(2026 Road to Mallorca 公式)。
Challenge Tour の価値は、ここを巣立った選手たちのその後の活躍が証明しています。ヘンリク・ステンソン(2000年 年間王者)、トーマス・ビョーン(1995年 年間王者)、トミー・フリートウッド(2011年 年間王者)といった欧州を代表する名手がこのツアー出身です。さらにイアン・ポルター、ルイ・ウーストハイゼン、ブルックス・ケプカ(2013年に在籍)なども、下部での経験を糧に世界の舞台へ羽ばたきました(Challenge Tour - Wikipedia)。
近年の好例が ロバート・マキロイ(マッキンタイア)です。スコットランド出身の左打ちの彼は、2018年に Challenge Tour の年間ランキング12位に入って翌季の DP World Tour カードを獲得(Robert MacIntyre - 欧州ツアー公式)。その後は2023年ライダーカップ欧州代表に選ばれ、2024年には地元スコットランド開催の試合や PGA TOUR でも優勝するトップ選手へと成長しました。下部ツアーで土台を築いた選手が、数年で世界の一線級になる——その典型例です。
メジャー王者のステンソン(2016年全英オープン)やケプカ(複数メジャー制覇)まで輩出していることからも、Challenge Tour が「欧州最高の育成リーグ」と評される理由がうかがえます。
Challenge Tour は下部ツアーのため、日本での地上波・専門チャンネル中継は限られます。最新のスコアや配信は、次の方法で追うのが確実です。
上位の DP World Tour は日本でも配信・放送がありますが、Challenge Tour 単独の中継は流動的です。気になる選手がいる場合は、公式アプリのスコア速報と YouTube ハイライトを組み合わせて追うのがおすすめです。放送・配信体制は年により変わるため、契約前に各サービスの最新情報をご確認ください。
Challenge Tour は、世界の男子ツアーの「階段」の中ほどに位置しています。
北米の Korn Ferry Tour(PGA TOUR 下部)とは、役割は同じ「最高峰ツアーへの登竜門」でありながら、舞台が欧州・中東・アフリカ・アジアに広がる点や、昇格枠の数(2026年は15名)などに違いがあります。
2026年シーズンは、年間ポイント(Road to Mallorca)ランキングの上位15名が翌季の DP World Tour カードを獲得します。この枠は以前は20名でしたが、2026年に15名へと絞られました。加えて、同一シーズンに3勝した選手はポイント順位を待たずその場で即時昇格できます(DP World Tour / Challenge Tour 公式)。
どちらも最高峰ツアーへの登竜門という役割は同じですが、Korn Ferry Tour は米国 PGA TOUR の下部ツアーで主に北米・中南米を転戦します。一方 Challenge Tour は欧州 DP World Tour の下部ツアーで、ヨーロッパを中心に南アフリカ・中東・アジアまで足を延ばす国際色の強さが特徴です。昇格枠の数も異なります(2026年は Challenge が15名)。
歴史的に見ると、日本人選手にとって欧州の Challenge Tour は主要な育成ルートにはなってきませんでした。日本の有力な若手は国内の JGTO や、近年では米国の Korn Ferry Tour を目指すケースが中心です。欧州で活躍する日本人選手も、必ずしも Challenge Tour を経由しているわけではない点に注意が必要です。
Road to Mallorca で年間1位になった選手は、翌季の DP World Tour カード(出場権)に加え、年間王者としての栄誉とランキングに応じた賞金・ボーナスを得ます。シーズンを通して安定して上位に入った証であり、上のツアーでのステータスにもつながります。
シーズン最終戦は「Rolex Grand Final supported by The R&A」で、スペイン・マヨルカ島で開催されます。2026年は10月29日〜11月1日に行われ、年間ランキング上位45名のみが出場できます。ここでの順位によって DP World Tour カードの行方が最終決定します。
原則としてプロ選手が対象のツアーで、出場には Q-School を勝ち上がるなどしてステータスを得る必要があります。ただしアマチュアでも、主催者推薦や予選を勝ち抜けばスポット出場できる場合があります。
最終更新: 2026-06-01