救済を受けるとき、各ルールは『定められた方法でドロップする』と書いています。その『定められた方法』の中身を定めているのが規則14です。 ドロップは膝の高さから、救済エリアの中へ——手順を外すと罰がつくこともあります。この記事は、OB・ペナルティエリア・アンプレヤブル・障害物など、あらゆる救済に共通する『手続きの正典』として、マーク・拾い上げ・リプレース・ドロップ・誤所からのプレーを、JGA・R&A公式にそって整理します。場面ごとの基点やクラブレングスは、各テーマの記事にゆずります。
球を拾い上げる前には、球の真後ろか真横にボールマーカーを置いてその箇所をマークします。クラブを地面に当ててもかまいません(規則14.1a)。マークせずに拾う・誤った方法でマークする・マーカーを置いたまま打つと、いずれも1罰打です。ただし、救済を受けるために拾うときは、マークは必須ではありません。
拾えるのはプレーヤー本人か、本人がその都度認めた人だけです。『ラウンドを通して任せる』という包括的な許可は認められません(規則14.1b)。例外として、球がグリーン上にあるときや、プレーヤーが救済を受けると判断できるときは、キャディが許可なく拾えます。
拾った球は原則として拭けますが、グリーン以外では例外があります。切れ・ひびの確認のためや、プレーの妨げになるために拾った場合などは拭けません(規則14.1c)。
拾った球を元の箇所に戻す(リプレース)ときは、手で置いて止まるように放します(規則14.2)。戻すのは本人かその球を拾った人で、元の箇所が分からなければ推定します。リプレースと、次に説明する『ドロップ』は別の手続きです。
救済を受けて別の場所から打ち直すときは、球をドロップします。正しい方法は次のとおりです(規則14.3b)。
『膝の高さ』とは、立った姿勢での膝の高さを指します。2019年の大改正で、それまでの『肩の高さ』から『膝の高さ』に変わりました。古い記憶のまま肩から落とすと、誤った方法になりやり直しが必要です。
ドロップした球は、救済エリアの中に落とし、その中に止めなければなりません。救済エリアとは、各ルールが定める基点から1または2クラブレングス以内で、ホールに近づかず、規則が定めるコースエリア内に限られた区域です。どこを基点にするか・何クラブレングスかは場面ごとに異なり、OB・紛失/ペナルティエリア/アンプレヤブル/障害物の救済でそれぞれ決められています。
正しくドロップしても、球が転がって救済エリアの外に出てしまうことがあります。そのときの手順は決まっています(規則14.3c)。
ポイントは、ドロップは最大2回で、それでも収まらなければ最後は『プレース』に切り替わるという流れです。1回目で外に出たからといって、いきなり置いてはいけません。
なお、地面に当たったあとに球が人や用具に偶然当たっても、救済エリア内に止まれば完了で、罰はありません。
ここまでの手続きを誤った場所で行い、そのまま打ってしまうと『誤所からのプレー』になります。違反すると一般の罰(ストロークプレーで2罰打、マッチプレーではそのホールの負け)です(規則14.7a)。
ただし救いもあります。打つ前であれば、間違いは罰なしで訂正できます(規則14.5a)。ドロップの仕方や場所を間違えても、ストロークする前に気づけばやり直せます。
逆に、誤所のまま打って大きな利益を得た(重大な違反の)場合、ストロークプレーでは訂正しないまま次のホールに進むと失格になることがあります(規則14.7b)。迷ったら、打つ前に手続きを確認するのが安全です。
各場面で『どこを基点に、何クラブレングスの救済エリアにドロップするか』は、各記事にまとめています。
膝の高さです。2019年の大改正で、それまでの肩の高さから膝の高さに変わりました。立った姿勢での膝の高さから、まっすぐ真下に落とします(規則14.3b)。
ドロップはプレーヤー自身だけが行えます。キャディや同伴者は不可です。一方、球を拾い上げたりリプレースしたりするのは、本人のほかにその球を拾った人なども行えます。
もう一度ドロップします。2回目も救済エリアの外に止まったら、2回目のドロップで球が最初に地面に触れた箇所に球をプレースします。それでも止まらなければ、止まる最も近い箇所に置きます(規則14.3c)。
リプレースは拾い上げた球を元の箇所に手で置いて戻す手続き(規則14.2)、ドロップは救済を受けて救済エリアに膝の高さから落とす手続き(規則14.3)です。場面に応じて使い分けます。
救済の種類で決まります。たとえばアンプレヤブルや赤ペナルティエリアのラテラル救済は2クラブレングス、障害物・異常なコース状態の救済は1クラブレングスです。基点と合わせて各記事で確認してください。
最終更新: 2026-06-09