ゴルフ産業と一口に言っても、お金が動く場所は大きく3つに分かれます。ゴルフ場でのプレー代、クラブやボールの購入、そして練習場の利用料です。3つはそれぞれ別の団体が別の基準で数えているため、「ゴルフ産業の規模」を1つの数字で言い切ることはできません。 このページでは産業を構成する要素ごとに何がどう動いているのかを整理し、テーマ別の詳しい解説へ案内します。年ごとの数値は表にまとめてあり、統計が公表されるたびに更新しています。
ゴルフ産業のデータは、次の5つのテーマに分けて扱っています。全体像をつかんでから、関心のある分野へ進めるように並べています。
| テーマ | わかること | 主な出典 |
|---|---|---|
| 市場規模の全体像 | ゴルフ場・用品・練習場を合計するといくらの産業か。調査ごとに金額が変わる理由 | 日本生産性本部『レジャー白書』 |
| ゴルフ場数・利用者数の推移 | 1957年度からの施設数と延べ利用者数。バブル期の開発とその後の再編の歴史 | 日本ゴルフ場経営者協会 |
| 練習場のインドア化 | 屋外施設の減少とインドア施設の増加。施設数が逆転した年と、その数字の読み方 | 全日本ゴルフ練習場連盟 |
| ゴルフ用品市場の推移 | クラブ・ボール・ウエアの市場規模。落ち込みからの急回復と、その後の反落 | 矢野経済研究所 |
| コロナ禍ゴルフブームの決算 | 2020年以降に増えた分のうち、定着した部分と剥落した部分 | 上記各調査 |
読む順番に迷ったら、市場規模の全体像から入るのが近道です。3分野の大きさの違いがわかると、そのあとの数字の位置づけがつかみやすくなります。
産業全体を通して見えるのは、人数が減る力と単価が上がる力の綱引きという構図です。ゴルフ場の延べ利用者数は1992年度のピークから、ゴルフ場数は2002年度のピークから減り続けてきました。それでも市場金額が保たれてきたのは、1回あたり・1人あたりの単価上昇と、用品市場の回復が支えてきたためです。逆に言えば、単価で支えきれなくなった局面では金額も落ちます。実際に2024年は3分野そろって横ばいから微減に転じました。
コロナ禍ゴルフブームの検証は、独立したページにまとめています。ゴルフ用品市場の推移も、独立したページで詳しく扱っています。
産業の景気が最も早く数字に出るのがゴルフ用品市場です。ゴルフ場や練習場の施設数は年に数十か所しか動きませんが、用品はその年の需要の増減がほぼそのまま売上に表れます。カテゴリの代表グラフに用品市場を置いているのはそのためです。
この系列は、矢野経済研究所が毎年秋に公表している「ゴルフ用品市場に関する調査」によるものです。メーカーが国内向けに出荷した段階の売上高(メーカー売上高ベース)で、小売店の店頭価格の合計でも、中古クラブの流通額でもありません。OEM供給分も対象外です。
グラフから読み取れる動きは3つです。
ここからは解釈です。2024年の反落は、需要が一巡した局面で、値上げによる金額維持が数量減に追いつかなかった結果とみられます。矢野経済研究所は2025年10月時点で2025年の市場規模を前年比105.5%と予測していますが、これは予測値であって実績値ではありません。実績が確定するのは2026年秋の発表です。
各年の数値と、その年の数字がどの発表に由来するかは、下の全年テーブルで確認できます。
| 年 | 日本のゴルフ用品市場規模 | 出典 |
|---|---|---|
| 2017 | 2,587.0 | 矢野経済研究所プレスリリース「ゴルフ用品市場に関する調査を実施(2018年)」2018年9月6日(DreamNews 配信) |
| 2018 | 2,626.4 | 矢野経済研究所プレスリリース「国内ゴルフ用品市場調査結果を発表」2019年9月20日(日本経済新聞 電子版 プレスリリース面に全文掲載、原典: 矢野経済研究所 2019年調査) |
| 2019 | 2,653.3 | 矢野経済研究所プレスリリース「ゴルフ用品市場に関する調査を実施(2024年)」2024年9月27日 |
| 2020 | 2,314.2 | 矢野経済研究所プレスリリース「ゴルフ用品市場に関する調査を実施(2024年)」2024年9月27日 |
| 2021 | 2,760.0 | 矢野経済研究所プレスリリース「ゴルフ用品市場に関する調査を実施(2024年)」2024年9月27日 |
| 2022 | 3,092.0 | 矢野経済研究所プレスリリース「ゴルフ用品市場に関する調査を実施(2024年)」2024年9月27日 |
| 2023 | 3,087.2 | 矢野経済研究所プレスリリース「ゴルフ用品市場に関する調査を実施(2024年)」2024年9月27日 |
| 2024 | 2,933.3 | 矢野経済研究所プレスリリース「ゴルフ用品市場に関する調査を実施(2025年)」2025年10月10日 |
定義: 矢野経済研究所「ゴルフ用品市場に関する調査」(毎年秋公表のプレスリリース)による国内ゴルフ用品市場規模。メーカー売上高(=メーカー出荷金額)ベースで、各メーカーの総売上高(直営店売上分+卸売)から返品およびマークダウン伝票発行分を差し引いた純売上、海外向け売上分は除く。小売金額ベースの市場規模とは混在させない。公表時点の予測値・見込値は採用せず、後年のプレスリリースで実績として示された値のみを採る。
注: 算出基準の呼称が2019年発表までは「メーカー出荷金額ベース」、2020年発表以降は「メーカー売上高ベース」となっているが、同一調査の同一系列である。
注: 2020年の値は2020年発表時の予測値(2,315億8,000万円)ではなく、2024年発表のプレスリリースが実績として示した2,314億2,000万円を採用した。
注: 2019年の値は2020年発表・2024年発表の両プレスリリースで2,653億3,000万円と一致している。
注: 2025年は2025年10月発表時点で予測値(3,093億5,000万円、前年比105.5%)のみが公開されており、実績値が未確定のため未収録。
注: 2016年以前は公開プレスリリースで実績値を確認できず未収録(矢野経済研究所サイトに当該年の旧プレスリリースが現存しない)。
注: 2017年の値を伝える2018年発表プレスリリースの本文には算出基準の明記がないが、同一名称の年次調査シリーズであるため同一基準として扱った。
注: 矢野経済研究所『ゴルフ産業白書』本体(有料)は参照していない。数値はすべて無償公開のプレスリリース本文から取得。
このカテゴリの数字は、次の調査から取っています。いずれも調査主体の発表そのものにあたり、まとめ記事や個人の集計からは採用していません。
| 何の数字 | 出典 | 公表時期 | 何を数えているか |
|---|---|---|---|
| ゴルフ関連市場規模(3分野) | 日本生産性本部『レジャー白書』 | 毎年秋 | 参加人口と支出額から推計した消費支出額 |
| ゴルフ用品市場規模 | 矢野経済研究所「ゴルフ用品市場に関する調査」 | 毎年秋 | メーカーの国内向け純売上高(OEM・中古を除く) |
| ゴルフ場数・延べ利用者数 | 日本ゴルフ場経営者協会 | 毎年 | ゴルフ場利用税の課税報告にもとづく施設数と延べ回数 |
| 練習場・インドア施設数 | 全日本ゴルフ練習場連盟 | 毎年 | 全国の練習場施設数 |
同じ「ゴルフ用品市場」でも、調査が違えば金額は違います。矢野経済研究所はメーカーが出荷した段階を、レジャー白書は消費者が支払った段階を数えているためで、どちらかが誤っているわけではありません。業界の生産動向を見たいなら前者、ゴルファーの支出を見たいなら後者を使います。混ぜて足し算しないことが大事です。
数値の扱いは3つのルールで統一しています。1つの数値に必ず1つの出典を紐づけること、取れない年は空欄のままにして推測や補間で埋めないこと、調査手法が変わった箇所は注記して系列を分けて考えることです。各年の数値がどの発表に由来するかは、全年テーブルの出典欄に記載しています。
図表・数表は出典を明記のうえ転載・引用いただけます。研究・記事執筆・プレゼンテーション等にご活用ください。数値に訂正が入る場合があるため、引用時は該当ページのURLの併記をおすすめします。
最後に、統計環境の変化にも触れておきます。ゴルフ場とゴルフ練習場の売上高を月次で公表してきた経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」は、2024年12月調査をもって終了しました。今後の産業の動きは、年1回公表される業界調査で追うことになります。このページは各調査の公表にあわせて更新します。
統計データと分析コラムで深掘りします。
ゴルフ場・ゴルフ用品・ゴルフ練習場を合計した日本のゴルフ関連市場は、2024年で約1兆4,230億円です(日本生産性本部『レジャー白書2025』にもとづく集計)。最も大きいのはゴルフ場で、全体の約65%を占めます。分野別の内訳と推移は市場規模の全体像のページで扱っています。
直近では縮んでいます。矢野経済研究所の集計で2022年がピークで、2024年は前年比95.0%と反落しました。ただしコロナ禍前の2019年と比べれば110.6%で、水準そのものは当時より高いままです。2025年については前年比105.5%という予測が公表されていますが、これは予測値で、実績が確定するのは2026年秋の発表です。
ゴルフ場のほうが大きく、桁が違います。2024年の内訳はゴルフ場9,240億円に対し、ゴルフ練習場は1,230億円で、ゴルフ関連市場に占める比率は約65%と約8.6%です(日本生産性本部『レジャー白書2025』にもとづく集計)。ただし施設数の動きは別で、練習場ではインドア施設が増え続けており、産業の構造変化としてはこちらのほうが大きく動いています。
用品市場は矢野経済研究所が毎年秋に公表するプレスリリース、市場規模と参加人口は日本生産性本部『レジャー白書』(毎年秋)、ゴルフ場数と延べ利用者数は日本ゴルフ場経営者協会、練習場とインドアの施設数は全日本ゴルフ練習場連盟が公表しています。なお、月次で追えた経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」は2024年12月調査で終了しました。
出典を明記いただければ、図表・数表とも転載・引用いただけます。研究・記事執筆・プレゼンテーション等にご活用ください。各数値の原典は全年テーブルの出典欄と各ページの出典欄に記載しています。訂正が入る場合があるため、引用時は該当ページのURLを併記していただくと確実です。
数えている段階が違うためで、どちらも誤りではありません。矢野経済研究所の数字はメーカーが国内向けに出荷した段階の売上高で、OEM供給分と中古品を含みません。『レジャー白書』の数字は消費者が支払った段階の支出額の推計です。段階が違うので一致せず、足し合わせることもできません。差の中身は市場規模の全体像のページで扱っています。
最終更新: 2026-08-03