イーデルゴルフ(Edel Golf、創業者のデヴィッド・エデル氏の名にちなみ日本では「イーデル」と読む)は1996年にデヴィッド・エデルがアメリカで創業した、パターとウェッジ・シングルレングスアイアンを専門とするブランドです。創業地はテキサス州オースティンで、もともとカスタムフィッティングを起点にしたパター設計で知られ、ヘッド形状・シャフト位置・ホーゼル・カラー・グリップを組み合わせるオーダー方式を打ち出してきました。
2022年12月にコロラド州デンバーへ製造拠点を拡張し、現在は本社・工場ともデンバーに置いています。2025年にはアパレルブランドの Pins & Aces Golf Co. が Edel Golf を買収し、新体制下でも「ベスポーク・米国製パター」という創業以来のコンセプトを継承して運営されています。歴代の代表作には EAS(旧モデル)・SMS ウェッジ・シングルレングスアイアン・現行の E-Series Torque Balanced パターがあり、ブライソン・デシャンボーが少年時代から使用していたメーカーとしても知られています。
現行のパターは E-Series Torque Balanced ライン(E-1 ブレード、E-2 ノッチバックブレード、E-3 ラウンドマレット、E-5 など)が中心で、トルクバランス設計によりストローク中のフェース回転を抑え、インパクトでフェースをスクエアに戻しやすくする発想を採用しています。Pixl 系の前世代モデルや、新たに展開する EAS(Edel Adjustable System)系も並行して存在します。
ウェッジは SMS(Swing Match System)が代表シリーズで、48°〜60° 全番手で4種類のミルドソールグラインドとウェイトポートを組み合わせ、フィッティング前提でロフト・バウンス・ライ角・グラインドを選べる構成です。シングルレングスアイアン分野ではブライソン・デシャンボーが少年期から使用していた縁で先進的なポジションを築き、現在もカスタムビルド体制で展開しています。
価格帯は EAS / E-Series パターで実売10〜20万円帯、SMS ウェッジで4〜6万円帯。日本国内では主に並行輸入およびオンラインストア経由の取扱いが中心で、量販店ルートは限定的です。フィッティング前提のオーダー思想と「米国製のベスポーク」を売りにしている点が、量産系ブランドとの大きな違いです。
米国の削り出し系プレミアムパターという点ではベティナルディやスコッティ・キャメロンと同じカテゴリーに位置しますが、Edel はフィッティング起点の「組み合わせカスタム」を前面に出している点が個性です。スコッティ・キャメロンが完成形ラインアップを店頭で選ぶスタイル、ベティナルディが工房系プレミアムの完成品を提供するスタイルなのに対し、Edel はヘッド・ホーゼル・シャフト位置を設定からカスタムする構成を中核に据えています。
L.A.B. が「Lie Angle Balance」、イーブンロールが「Sweet Face Technology」、Edel が「Torque Balanced」と、いずれもフェース回転とエネルギー伝達のコントロールを掲げる現代パター系として並び称されることが多いブランドです。L.A.B. が独自の偏重心ヘッド形状で外観上もはっきり個性を打ち出すのに対し、Edel の Torque Balanced はオーソドックスなブレード/マレット形状を保ちつつバランス設計で同様の効果を狙う方向性で、見た目の親しみやすさで選び分けるユーザーが多い構造です。
ウェッジ専業のクリーブランドやフォーティーンと比較すると、SMS は量販ラインではなくフィッティング前提のカスタムプロダクトという位置付けです。標準ロフト・バウンスから一歩踏み込んでセッティングを詰めたいゴルファー向けで、価格帯もクリーブランドの量販モデルより一段上に設定されています。